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約2ヶ月後〜。
朝、キッチンでトーストを焼いていると、、
「……っ、」
元貴は口を押さえて、慌ててトイレに駆け込む。
バターの匂い、
ドアを閉めるのももどかしく、
便器に顔を突っ込む。
「おえっ……! げぇっ……うっ……」
ほとんど何も食べていないのに、
胃液やらなんやらが喉から出てくる。
「…まっず、、」
えずきながら何度も吐いて、
体がびくびく震える。
「はぁ……はぁ…」
額に冷や汗が浮かんで、足がふらつく。
水で口をすすいで顔を洗う。
「…んっ、、…」
震える手で、数日前に買っておいた妊娠検査薬の箱を取り出す。
「やっちゃうか、?」
パッケージに大きく書かれた
「朝一番の尿で…」という文字を見て、
「…はぁ……」
箱を開ける。
カチッと蓋が外れ、スティックを手に取る。
用を足してスティックを置く。
スマホのタイマーを3分にセット。
壁に寄りかかって膝を抱える。
待っている間、また吐き気が込み上げてくる。
口を押さえて必死にこらえる。
生理はもう3週間以上遅れている。
匂いに過敏で、朝なんかは特にきつい。
3分後。
スティックをとる。
一本の線……そして、
もう一本、くっきりとした赤い線。
「…陽性、か、、」
小さな声が漏れる。
握ったスティックが震えて、
涙がぽろぽろ落ちる。
元貴はスティックを胸に抱いたまま、
トイレの床に座り込む。
「…できた……っ、」
ドアの外から、滉斗の少し心配そうな声が聞こえる。
『元貴……大丈夫?』
元貴は立ち上がってドアを開け、
涙目でスティックを差し出す。
「…陽性、 二本線……出た……」