テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
そして、俺たち はこの狭い世界から逃げるように脚を動かした。
早くは無いし、なんなら他の人より遅い。
だけど今だけは誰よりも自由で速くて、そんな鳥に成れた気がした。
俺たちの 事を大切に思ってくれる家族やあの腐った奴等を捨てて お前とふたりで名も知らぬ街を歩く。
彼は心が少し軽くなったのか、鼻歌を歌っていた。それはこの世のどんな音楽よりも綺麗だった。
そんな彼の歌を奪うこの世界に価値なんてないだろう。
「突然だけどさ、俺とふたりで死んでくれる?」
だから、この腐った世界に少しだけほんの少しだけ復讐するためにふたりで死のう。
だれもいない場所で。
「もちろん。そのために旅してるんでしょ笑」
意味のわからない質問にも笑顔で答えてくれる彼の笑顔を奪ったこの世界が憎くて仕方が無い。
星導を死に追い詰めたアイツらも人殺しだ。
もちろん、綺麗な彼を汚した俺もこの腐った世界の一員だ。
そんな腐った世界に人殺しなんてそこらじゅうに湧いているのに。
「お前は何も悪くないよ」そう言いたくなる気持ちをグッと堪えた。
そんな根拠もない優しさなんて要らないと1番感じてきた俺達だから。
コメント
1件