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第三章 発覚
《3年後―2024年》
アメリカは国連にこの情報をリークした
目的はただ一つ。
ナシルが60年以上隠してきた『水晶』へ国際介入を実現すること…
アメリカが“水晶はナシルの国内問題ではなく、人類全体の問題だ”という論理を使い国連憲章第11条を利用して押し切ろうとしている
《世界大戦後に改定された国連憲章第11条――常任理事国八か国の全会一致による安全保障理事会決議は、非常任理事国への『一時的』な国際介入を認める》
それは、世界大戦後の混乱期に生まれた特例だった。
本来であれば国家の主権を尊重する国際社会において、例外的に認められた強制的な介入権限。
しかし、その制度は戦争終結から数十年が経過した後も廃止されることなく残り続けていた。
《2024年12月12日》
《国連本部ジュネーブ》
常任理事国8カ国と非常任理事国多数の代表らが座る中…中央の巨大なスクリーンに…映し出されたのは《動画ファイル1957/10/18》であった
各国代表らが息を呑み、スクリーンを見つめていた。
画面の上半分を埋め尽くす憎いほどに綺麗な蒼い空
そして正面を彩る緑豊かな大地…
各国代表の間にどよめきが広がっていく
そしてアメリカ代表が立ち上がり
「これが我々(アメリカ)が問題としている『水晶』です。」
アメリカ代表は周りを見渡した。そして
「この映像は1957年10月18日に撮影されたものです。」
「そしてこの問題は!」
アメリカ代表はナシル代表に目を向け
「今日この日までナシル連邦によって秘匿されていた!!」
その一言で会場が静まり返った
「これが何を意味するのか…皆さんなら分かるでしょう」
ナシルの代表が口を開く前にロシア代表が…
「つまりこれは、アメリカは資源が欲しいというわけだろう?」
ロシア代表の本質を突くような言葉にアメリカは
「何を言ってるんですか?」
「我々は…この約60年ナシルによって独占されていた、資源が眠っているであろう、この『水晶』を国際管理にしたいだけですよ…」
ナシル代表は低い声で
「ずいぶんと耳触りのいい言葉を並べているご様子で」こう皮肉交じりに答えた
だが…各国代表は忘れている、ナシルは決して小国などではない、『世界的な軍事順位で5位』
北極圏を我が国の庭と言うほど、絶大な影響力を持つ、れっきとした地域大国である
だがこの場では、話がまとまることはなかった。
各国の主張は最後まで交わることなく、最終的な判断は常任理事国による採択へと持ち込まれることになった。
そして結果は……ナシルとして最悪そのものだった
国連憲章第11条が世界で初めて使われることになり…各国は耳触りの良い言葉『国際秩序を守るための決定』と呼んだ。
コメント
1件
うわっ…重い…でもすごく好きなやつだこれ🥀 3年後の展開で一気に国際問題になるところ、めちゃくちゃ引き込まれた。アメリカがリークして国連で動画流すシーン、政治的な駆け引きが生々しくて、読んでてゾクゾクしたよ。「資源が欲しいだけ」ってロシア代表に言わせるところもリアルで嫌だな〜って思ったけど、それが逆に物語に深み出てる。 ナシル、軍事大国なのに第11条で押し切られちゃうの悔しいな…「国際秩序を守るため」って言葉が一番怖いよね。続きすごく気になる…🤍