「 赤薙 りうら さんは 、欠席です 。 」
普段 まったく 体調を崩さないから 、
先生が そうやって 行った時に 少し安心した 。
無理してるんじゃないか 、 苦しんでんじゃないか 。
そう思って怖くって 、 ちゃんと 休んでくれて 少し 安心した 。
桃 「 おみまい いく ー ? 」
黒 「 そうやな 、 家族 共働きやったし 忙しいやろ 、 」
同じクラスの ないこ と お見舞いに 行くことになった 。
(( ぴんぽ ー ん
黒 「 おみまい きたで 〜 、 」
そう 中に呼びかけても 、 誰もでてこない 。
桃 「 病院 行ってるとか、? 」
黒 「 かもな 、 」
そう言って 今日は お開きだった 。
あの日から 2週間 、 りうら は 一度も 学校に来なかった 。
それが あたりまえに なって 。
だれも “りうら” と 呼ばなくなって 。
LINE も 未読無視 で 。
家には ずっと いなくって 。
嫌な予感が 、 体の底から 駆け巡った 。
黒 「 っす 、みませ … ッ 、 」
肩で 息をして 、 喘鳴 を鳴らして 、 必死に 病院 の 受付に 縋りついた 。
黒 「 赤薙 っ 、 りうら … ッ 、 ! 」
黒 「 いますか … ッ 、 」
小さい頃 、 りうら が 通っていた といっていた 県病院 。
「 この病院のおかげで 、 りうらは丈夫で元気になったの 」
そうやって 嬉しそうに 話してた 。
がらら ッ …
赤 「 … 、? 」
上半身だけ 起こして 、 目を きょろきょろ させる 。
左目は 包帯で巻かれ 、 それを つけるために 髪は一部剃られて
りうら の 自慢 の ポンパは 跡形もなかった 。
黒 「 ごめん 、 ごめんな ぁ … ッ 、 」
気づけなくてごめん 。 遅くなってごめん 。 何もできなくてごめん 。
行動力なくてごめん 。 1人にしてごめん 。 隣にいてやれなくてごめん 。
溢れる 言葉を 拙く 紡いだ 。
そうするしか 、 痛ましくなった りうらに 顔を合わせる方法がなかった 。
赤 「 … みんなには 言わないで 。 」
そう 言い放った りうら の 声が 凍えるほど 冷たかった 。
勇気を出して 一歩 寄った 。
赤 「 … 帰ってよ 、 さっさと 。 」
赤 「 もう 、 二度とこないで 。 」
黒 「 … そう、 よなぁ … 、 ごめんなぁ … っ 、 」
こんな 情けない 自分が 心底 嫌いになった 。
また あの日から 1ヶ月 が 経った 。
いつも通りに 授業を 受けて 。
みんな さらに “りうら” と 呼ばなくなって 。
「 ここ … じゃあ 、 獅子原 。 」
黒 「 √2 です 」
「 正解 。 ちゃんと 授業聞いとけよ 〜 」
軽く茶化されて 、 暖かく 笑う教室 。
りうら が いないと 楽しくない のは 当たり前 。
「 … 獅子原 、 迎えだそうだ 。 荷物を片付けて 事務室に行け 」
黒 「 … はぁ 、 わかりました 、 」
そんな 話 、 親としてないんやけど …?
そうおも ったけど 、 このまま 教室に居たいとも 思えなかったので
さっさと 鞄を背負って 階段を 駆け降りた 。
「 ぁ … ゆうすけくん っ 、 一旦車 乗って … っ、‼︎ 」
「 へ … 、 ? 」
降りた先に いたのは 、 綺麗な 赤髪の
ゆるい 三つ編み が トレードマーク の 、りうら の 母親 だった 。
でも 今日は 慌てて家を出たのか 髪は 結ばれていなくて
最低限 整えた 程度で 、 ところどころ アホ毛が 跳ねていた 。
そんな いそいそ と した 雰囲気に 悪寒が したのは 、 気のせいだろうか … ¿
ぴ ッ 、 ぴ ッ 、
赤 「 … ッ 、 … 、 」
違う 。 これは りうらじゃない 。
顔を見て いちばんに 頭に浮かんだのが この 言葉なんて
りうらは 最低な 恋人 持ったよなぁ 。
赤 「 ッは 、 ぁ 、にき … ッ 、 ( にこ 」
黒 「 ど 、 どうしたん …、? 」
苦しそうな りうらの 顔が 病室の 灯りに照らされて いた 。
彼より も 、 彼の母よりも 、 俺が一番 辛そうに してはいけない 。
頭は 理解するけど 、 心が 追いつかなくって 。
赤 「 … みんなに 、は …内緒 、 ね ? ( ふふ 」
赤 「 大好き … っ 、 ( ぎゅぅっ 」
精一杯の 力を 使って 、 無理やり 起こした体で 抱きついてきた 。
どうすることもできなくて 、 ぴーーーーっと 長い音を鳴らす 機械に 苛つきを覚える 。
もう 、くるしい呼吸音 も 、 小さすぎる心音も しない りうら の 手は 、まだ 少し 暖かかった 。






