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転校してきた殺し屋君第3章:復讐の鎮魂歌
第19話:戦友の喝采
セーフハウスの白い天井を見つめ、浩一は動かなくなった指先をじっと眺めていた。 海沼玲亜を抱いた時の、あの血の温かさと、急速に失われていった鼓動。浪岡の無念、そして自分たちを逃がすために散った安藤(竹内)の背中。
「……何のために、強くなったんだ」
掠れた声が漏れる。特訓を受け、伝説の技術を継承しても、結局一番守りたかったものを守れなかった。復讐の火を燃やす気力すら、今の彼には残っていなかった。
「……いつまで、そうやって死人みたいな面をしてるつもりだ」
隣のベッド。全身を包帯で巻かれ、同じく回復治療を受けていた黒蜜(広島玄白)が、痛みに顔を歪めながらも体を起こした。
「黒蜜……。俺は……」 「黙って聞け、黒咲」
黒蜜の鋭い眼光が、黒咲の虚無を射抜く。
「守れなかったものは、もう仕方がないんだ! 過ぎ去った時間を悔やんで、玲亜や浪岡が生き返るのか!? 先輩たちが命を懸けて繋いだこの道は、お前が寝っ転がって天井を数えるために用意されたものか!?」
黒蜜の怒号が、静かな病室に響き渡る。傷口が開き、包帯に血が滲むのも構わず、彼は黒咲の胸ぐらを掴み寄せた。
「海沼や浪岡、そして散っていった先輩たちのような犠牲者を、これ以上出さないために……お前が前を見なきゃいけないんだ! 組織の最前線に立つお前が下を向いてどうする!? お前が止まれば、あいつらの死は本当の意味で無駄になるんだぞ!!」
黒咲の瞳が、微かに揺れた。 黒蜜の掌から伝わってくる、生への執着。そして、自分以上に怒り、自分以上に犠牲者の無念を背負おうとする戦友の熱量。
「……前を、見ろだと?」 「そうだ。絶望に浸る暇があるなら、その憎しみを刃に変えろ。黒岩……いや黒鷹を討ち、この腐った連鎖を断ち切るのが、生き残った俺たちの、唯一の義務だろ」
黒蜜は手を離し、荒い息をつきながらベッドに背を預けた。
「……お前が動けないなら、俺がこの足を引きずってでも行く。だがな、黒咲。お前の隣には、俺が、そして藤堂がいなきゃダメなんだ」
沈黙が流れる。 窓の外では、あの惨劇が嘘のように静かな夜が明けていこうとしていた。 黒咲は、ゆっくりと、折れかけていた心を繋ぎ合わせるように拳を握りしめた。
「……悪いな、黒蜜。少し、眠りすぎていたみたいだ」
黒咲の瞳に、再び光が宿る。 それはかつての「偽物の日常」を守るための光ではない。 失った者たちの意志を背負い、全ての元凶を焼き尽くすための、静かで冷徹な「断罪」の光だった。
「行くぞ。黒鷹も、その背後にいる女も……一人残らず、この手で終わらせる」
(つづく)
#一次創作
つが
コメント
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【第19話「戦友の喝采」の感想】 黒蜜の叱咤がめちゃくちゃ刺さった…「お前が止まれば、あいつらの死が無駄になる」って、もうその言葉だけで号泣ものだわ。浩一が折れかけた心を支え直す瞬間、拳を握りしめたシーン、熱すぎる🔥 “断罪の光”を宿した目が、次どう動くのかマジで楽しみ。戦友の喝采ってタイトルも最高だな。続きを心待ちにしてる!