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コメント
6件
好きすぎる、続きが予想できない うわーーー~不穏だ、タイプ
ふは
どれ位 続くか 知らない 連載ノベル
( 注意 )
:stxxx
青紫
キャラ 捏造 有
「」 … 青 台詞
『』 … 紫 台詞
草木のように生きていきたい。
怒るわけでもなく、泣くわけでもなく、ただ静かに。
欲望も争いも、権力も何も無い世界で暮らせたら…と何度考えた事だろうか。
俺は感情というものが嫌いだ。
いつも、あれに振り回されて物事を掻き乱されてすべて失ってきたから。もう思い出したくもないけれど。感情ではなく、理性を優先させて行動すれば面倒なことにはならないのに。
なんて、戯言を心の中で呟きながら目を閉じ、瞼の裏を眺めてみる。
そして俺は他人が嫌いだ。
人は誰しも独りでは生きていけない なんて言葉も聞く、が、俺はそれを否定するわけじゃない。そうだ、孤独では生きていけない。そんなことはとっくの昔に気付いている。
だから最低限は他人と関わっているつもりだ。でも、時々怖くなる。
得体のしれない他人の本心が、にこにこと笑顔を顔に張り付けている人間の心の内が。
どんなに友情ごっこに必死になったとして、恋愛ごっこをしてみたとして、本心を知れるのは、どうしようもなく自分自身だけで。
どう足掻いても他人の本心を、中身を理解することは出来ない。それが、怖い。
俺は鏡が嫌いだ。
見ていると鏡の自分が何者なのか解らなくなってくる。
映っているこの男は本当に俺なのか?はたまた他の人物なのか?そもそも俺は存在しているのか?
この世界は存在しているのか?確認する術は俺にない。そんな不安定な世界で生きていると思うと、足元がすくむように、恐ろしくなる。
俺は俺自身が嫌いだ。
誰もがどうでも良いと感じること程、妄想を働かせてしまうこの脳も、自身のものとも確認出来ない身体も嫌いだ。
嫌い、嫌い嫌い嫌い。頭が言葉に犯されはじめたところで俺は眠りについた。
青side .
朝、目覚めると雨のにおいが鼻を掠めた。
時計は午前5時過ぎを指している。今日は洗濯物は無理か、なんて思いながらコップに注いだ、蛇口を捻るだけで出る水をいっきに飲み干した。
『 ころん、おはよ 』
早朝の筈なのに爽やかでよく澄んだ、それでいて儚い声色に話しかけられた。
「 …おはよーございます 」
気だるけに返す。
『 まだ5時だよ、寝といた方が良いんじゃない? 』
それは貴方もじゃないのかと思ったが、疑問は口に出さずに答える。
「 なんか目が覚めちゃって。喉乾いたんで水飲んでただけです、 」
『 あ!また水道水飲んだでしょ?この前買ってた水飲んでよ、あのペットボトルのやつ。 』
何やら注意されたが、顔を背け、はいはいと適当に返した。
この無駄に良い声をした男は ななもり、……いや、正確にはそうではないのかもしれない。
だって本当のなぁくんは3年前に死んだのだから。
それから1年と6ヶ月が過ぎた頃、この男は急に僕の家に姿を現わした。
最初は幻覚か何かかと思ったが、この”ななもり”はどうやら他人にも見え、喋ったり、身体に触れることもできる。
皮膚に触れれば脈動や体温を感じられるし、細くてひどく華奢な体型をしているが体に重みもある。( 先週”ななもり”が転んで受け止めたときに気付いた )
まぎれもなく人間なのだ。
…だからと言って僕が”ななもり”を受け入れているかといえばそうではないが。
『 ねえころん 』
「 なんですか、ななもりさん 」
そう返すと
『 いい加減ななもりさん呼びやめてよ… 』
とばつが悪い子供のような顔で訴えてくる。
「 嫌です 」
だって、あれは貴方にしか出来ない呼び方だから
『 つれないなー~…… 』
なんて言いつつ、何気なく僕の頬にキスを落とす。…うわ、油断した。
「 ちょ、やめて下さい……ッ、!! 」
「 あんたとはそういうことする関係じゃなかったって何度も言いましたよねぇ、? 」
『 事故で1回ヤったんなら何回でも一緒でしょ。良いじゃん、…それともなに?俺、いま焦らされてる?♡ 』
確かに僕たちは一度身体を重ねたことはあった。
それは事実だが、 その件は”ななもり”からの一方的かつ合意なしの、いわば逆レイプのようなものだった。
「 馬鹿いわないで下さい。ほんと脳内どピンク糞野郎ですね 」
『 今度は言葉責めかなぁ…♡ 』
俺の知っている貴方はこんな妖艶な表情をしなかった。
「 偽物が 」
小さく呟く。
その言葉で例の偽物の表情が強張るのを感じた。
『 本物かどうかなんてそんなに大事なの?ころんは 』
『 …もし、俺が偽物だったとして、その証拠は?根拠は?そもそも本物ってなんだよ 』
『 誰も確かめられないのなら、それは、本物だとしても、愛してはもらえないの? 』
『 この世界で確かなことって何だろうね 』
虚ろな目。
やはり、それは貴方によく似ていて____
そしてかけ離れた偽物の視線だった。
「 それでも僕はお前を認めない 」
俺の心が、脳が、否定するのだ。
『 ふは、やっぱり面倒臭いね。ころん 』
微笑むお前は貴方ではないと。
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