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雨は一時的に降るのをやめたらしかった。
すぐに破れて水を零してきそうな雨雲だけが空に広がっている。
濡れた服が体にまとわりつくのを、振り払うようにして歩いた。
一歩、また一歩と進むたび、脚はどんどんと重くなっていた。
「どこまで流されたのか……」
ジークハルトは辺りを見渡した。
人影がないのは好都合だが、それ以上に何もない。
浜にはひざ丈までの岩が時折あって、そのどれもが先ほどの雨に濡れている。
「さっぱりわからんな」
ため息を吐いたがそれに返事をするものも居ない。
人の気配と言えば、ずぶ濡れの自分の歩いた跡がここまで伸びていて、担がれてぐったりと項垂れたままのアンジェリカが小さな息を繰り返すだけ。
冷えた彼女の身体と、矢が刺さったま*****************************
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