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1年生のお店でドリンクとからあげを買い、あまり人が来ない棟に来た。
「しばらくここにいない?」
「あ、うん」
やっぱり、ほんとに大丈夫だからと断った方がよかった。
「ごめん、他の人にもなんか言われたらちゃんと違うって言っとくから 」
宇治はうん、と頷いた。
「幡中、モテるのもっと自覚した方がいいよ」
「え?」
「変な噂されて困んのは幡中の方でしょ」
これは宇治のフォローだろうか。
「私は別に、宇治が嫌だろうなって」
「、、俺は噂されるのが嫌なんじゃなくて」
宇治は目を逸らして言葉に詰まった。
「普通に恥ずいでしょ、なんであんな奴が幡中さんとって思われんの」
「、、 あんな奴なんて思ったことないよ」
「、、はあ」
宇治は軽くため息をついた。
「そういう紳士的なとこ女子は惚れるんだろうね」
「、、、ごめん」
なんと返したらいいかわからずとりあえず謝った。
「何、皮肉?」
「いや、そうじゃなくて」
「どうせバレンタインなんて女子から死ぬほど貰ってんでしょ」
「それは私が甘いもの好きってよく言ってるから」
「そういう問題じゃないから」
今までほとんど話したことのなかった人となんの話をしてるんだ。
「まあとりあえず、有志発表始まるまではここで」
私は軽く返事をしながら小さく頷いた。
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有志発表が終わり、教室の片付けも終えてみんなだんだんと帰って行った。
「うどん屋さん大成功だったね」
「うん、上手くいってよかった」
靴を履き替えて顔を上げると昇降口を出た先に宇治がいた。
「あ、ごめんちょっと門で待ってて」
私は玲花にそう言って、昇降口を出て駐輪場近くの自販機まで軽く走った。
「宇治」
駐輪場まで来た宇治を呼び止めたが聞こえなかったようだった。
「おい宵生、幡中が呼んでる」
宇治の隣にいたクラスメートが私に気づき宇治に知らせてくれた。
「これ、たこ焼き払ってくれたお礼」
私は宇治に買ったジュースを渡した。
「どうも紳士」
「ありがと」
宇治はそう言って駐輪場へ行った。