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[早田さん、放課後、体育館裏に来てください]
高校生活もほんの少し前に始まったばかりだという春のある日、靴箱になんともそれっぽい雰囲気の手紙が入ってあった。
「これって………どう考えても告白的なやつだよな…?」
俺はまじまじと手紙を何回も読み返し、そう呟いた。
「おいマジかよ?お前に?一度もモテたことない紀矢に?告白?待ってヤバくね?」「…………。」
親友の優馬が、なんとも有り得ないという顔で俺を見つめてきた。
俺は早田紀矢。優馬の言う通り確かに一度もモテたことのない高校1年生なのだ。
「てか、告るんだとしたらタイミングもおかしくないか?まだ高校も始まったばっかだぞ。」「そうだよな…。というか、誰からの手紙かも知らんし…。」
二人揃って顔をしかめた。
「ま、でも、今日の放課後全部分かるだろ。それまで大人しく待っとけって。」
優馬が俺の肩をポンポンと叩き、ニヤリと笑った。
「では、今日はこれで終わりです。みなさん交通事故に気をつけて帰ってください。」
帰りのホームルームも終わり、ぞろぞろと教室からクラスメイトが廊下に吸い込まれるように出ていく。
俺は人集りが収まってから、そろそろーっと教室を出ていき、体育館の方に向かった。