雇い主さんの自称婚約者達に迫られる平凡くん
「ちょっと聞いてるのぉ?」
「あー、はい、聞いてます……。」
また来たよ。雇い主さんの自称婚約者一号さん
「あのー、何度も言ってますが雇い主さんの個人情報はプライバシーとなるのでお教えすることはできません。」
「こっちだって何度も言っているでしょう!西園寺くんとアタシは結婚するから家族になるって!」
「雇い主から婚約者がいるとは聞いていません。」
「あらあらぁ!西園寺くんったら恥ずかしがっているのよぉ!」
うーん、埒があかねー。
ガチャ
「西園寺くん!!」
この家には雇い主が住んでいる、三人ね。
そして今帰ってきた雇い主さんは三人の中でも最年少の南之園 日向(みなみのその ひなた)君だと思う。学校が終わり、今日は部活動もお休みらしく早帰宅すると朝に聞いていたから。
「ただいま〜」
「おかえりぃ♡……あれ?」
「おかえり……あれ?」
日向じゃなかった。こいつは三人の雇い主の一人で東小園 宗也(ひがしこぞの そうや)。俺の高校時代の先輩だ。
「え、珍しいですね。先輩が家に帰ってくるの。」
「みーちゃんがヒスられて家追い出された〜」
みーちゃんとは先輩のセフレのことだ。普段はそこで寝泊まりしている。都合のいい女らしい。
「それは大変でしたね。」
「ちょ、ちょっとぉ!西園寺くんはいつ帰ってくるのよぉ!!」
「だから個人情報をお教えすることはできませんって……」
「わ〜君可愛いね?西園寺に用でもある感じ?」
「そうよ!アタシは西園寺くんの婚約者だからお話ししにきたのよぉ!」
「ふ〜ん、そう言うことなら〜俺が西園寺のこと教えてあげるよ〜。こっちきてよ。こいつがいたらまたゴチャゴチャ止めにくるからさ。」
「本当に!?わかった!着いていくわ!」
「うん、良い子だね〜。じゃあ、俺らはお取り込むから〜これ雇い主命令だから。邪魔すんなよ?」
「はい、わかりました。」
次のセフレはあの子か。西園寺に近づけなくてどんまい。
邪魔するなってことはヤるってことだから……俺は少し出かけるか。今日の家事は大体終わってるしドンキで暇潰しするかー。
ガチャ
「わっ!?」
玄関を開けたら日向とぶつかった。
「激しいお出迎え!?」
「ハグじゃないから。あ、俺と一緒に出掛けない?」ヤってる家にいるの気まずいだろうし。
「もちろん行く!デート!」
「いやデートじゃないから。今、先輩がセフレとヤってるからさ家にいると気まずいだろ?」
「宗也が?珍しい〜。」
「ほら、早く行こう」
「うっ……可愛い!」
なにが?
「ほら俺のクレープも食べて一くん」
「んっ、んんぐっ!!」
「小さい口で俺のを頬張ってるの可愛いよ」
「んぐっ、おぐいれるな!」
「一くん俺の美味しい?」
「日向のおいひいからっ!おくやめて!」
「そっか、よかった。ちょっと奥入れすぎちゃったね、ごめんね?」
「奥に入れすぎだろ、結構食べたけどよかったのか?」
「うん♪」
俺らはクレープを食べた後ゲーセンでメダルゲーをしたりプリクラを撮ったりした。
「さすがに夕飯までには帰ろう」
「えー。でも宗也いるんでしょ?なら志弦に連絡して外で食べようよ!」
「確かにまだ先輩いそうだなー。西園寺さんに連絡してみるか。」
プルルルル
『はい、西園寺 志弦です。』
「あー、俺です。一です。」
『え?一くん?電話番号変わったの?』
「あれ、言ってなかったですか?俺の携帯先月うっかり水没させて買い直したんですよ。」
『聞いてないな。』
「あーごめんなさい!それより今日は外食しませんか?」
『それよりか……。外食かたまには良いね。日向には連絡したのか?』
「日向ならここにいます。」「やっほー」
『え、デートしてたの?』
「そうだよー」「いや違います」
『……そう。じゃあ宗也にも連絡するかい?』
「先輩が家にいるから食べにいくんですよ。お客さんが家にいるので……。」
『ああ……またか。』
先輩は常習犯なのだ。