傷ついた心、君のせい

春菜は悩みを抱えながらも、ついに優子の小分け班である木村真理子に対して決断を下した。最近の彼女の行動は三咲に対する中傷にとどまらず、ますますエスカレートしていると感じていた春菜は、もうこれ以上我慢できなかった。
放課後、春菜は真理子を見かけると、彼女を遠くから呼び止めた。「真理子、ちょっといい？」

真理子は初めは面倒そうに振り向き、「あんた、私に何か用？」と答える。しかし、春菜は冷静に歩み寄り、突然彼女の頬を思い切り叩いた。

その一撃に、周りの生徒たちが驚き、すぐに静まり返った。真理子は驚きで目を見開いたが、春菜は続けて言った。「あなた、三咲に対してあんなことをして、本当に恥ずかしくないの？」

真理子は唇を噛みしめながら、「何よ、急に…」と言おうとしたが、春菜はすぐに自分の手に握っていた証拠を取り出した。それは、真理子がこれまで三咲に関する悪口を言ったり、陰で彼女を傷つけていた証拠となる録音やメッセージのスクリーンショットだった。

「これであなたが何をしてきたか、全てわかるわ。あなたがもしこのまま続けるなら、あなたもその報いを受けることになる。」春菜の言葉に、真理子は顔を真っ赤にして言葉を失った。

「わかったわよ、もうやめるから…。」真理子は顔を背け、震える声で答えた。これ以上は続けたくなかったのだろう、真理子はその場から逃げるように去っていった。

数週間後、学校内では噂が静まったように思えた。春菜、三咲、智也、そして修一も少しずつ平穏を取り戻していた。渡辺優子も過去の悪行を改め、三咲との関係はだいぶ落ち着いたように見えた。

しかし、突然、修一が現れた。彼は一気に操場に現れ、周囲の生徒たちが注目する中、智也を捕まえて一発、彼の顔に強烈なパンチを浴びせた。

「お前、三咲を傷つけたことをどう思ってる？」修一の怒声が響く。

智也は倒れ、顔を押さえながら立ち上がろうとしたが、修一の目は完全に冷徹で、もはや容赦のない怒りが込められていた。

数秒後、教員が急いで駆けつけ、事態は一気に収束した。しかし、修一はそのまま休学処分を受け、学校を去ることになった。

春菜と智也、そして三咲は再び、学校内で大きな注目を集めることとなった。噂は止むことなく、彼らの関係は風口浪尖に立たされていた。

春菜はどこか疲れたような表情を浮かべ、三咲と目を合わせた。「私たち、こんなことになるなんて思ってなかったね…」

三咲も、無言でうなずきながら、心の中でつぶやいた。「でも、今はもうどうしようもないよね。」

智也は二人を見つめ、心の中で深くため息をついた。この混乱が収まる日は、果たして来るのだろうか。