真理子はその日以来、まるで別人のように振る舞い始めた。彼女の心には春菜への憎しみが燃え上がり、何かしらの方法で仕返しをしようと決意していた。そして、ついにその時が来た。
ある日、真理子は三咲と一緒にいる時、突然口を開いた。「あのね、三咲、知ってる?」彼女は三咲の目をじっと見つめながら、冷静に語り始めた。「実は、あの日、智也と春菜が一緒にラブホに行ったのよ。」
三咲の表情が凍りついた。信じられないという顔をしていたが、真理子の言葉が重く響く。「嘘…だよね?」と、三咲は震える声で言った。
真理子は冷ややかな笑みを浮かべながら頷いた。「本当よ。あの日、彼らは確かにラブホテルに入っていったのを私は見たの。」
その言葉を聞いた瞬間、三咲の心は粉々に砕け散った。智也が春菜と一緒に…ラブホに?彼女は信じたくなかったが、真理子の言葉があまりにも確信を持っていたため、疑念を抱かずにはいられなかった。
数日後、三咲はついに智也にそのことを問い詰めることを決意した。放課後、二人きりになった教室で、三咲は智也を見つめた。「智也、あの日、春菜と一緒にラブホに行ったって聞いたんだけど…本当なの?」
智也はその言葉を聞くと、しばらく黙り込んだ。彼の顔色が変わり、何も言わずに目をそらした。その沈黙が、三咲の心にさらに深い疑問と苦しみを与えた。
「答えて、智也…本当なの?」三咲は涙を堪えながら、再び尋ねた。
智也は苦しげに顔をしかめ、そしてやっと口を開いた。「…そのことは、僕が説明するべきだった。だけど、春菜とあの時、ただ話すつもりだったんだ。でも、そんなことがあったからって、君を傷つけたくなかった。」
その言葉が三咲の胸に響いた。しかし、彼女はその説明を簡単に受け入れることはできなかった。「でも、どうしてそんなことを隠してたの?私には一体何が本当なのかわからなくなってしまった…。」
智也は彼女を見つめるが、何も言うことができなかった。その無言が、三咲の心をさらに痛めた。彼女はその場を立ち去ろうとしたが、足が動かなかった。涙が頬を伝いながら、静かに言った。「私は、もうわからない…」
智也は追いかけようとしたが、三咲は振り返らずに教室を出て行った。彼女の背中を見送ることしかできなかった。
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