第二話 これから
ーしんどうじー
「、、、」
「、、、」
黙り込む俺とあおいちゃん。それもそうだ、フォークとは本能的にケーキを食べたいと思ってしまう人たちのこと、そのため犯罪者予備軍と言われ、煙たがられてしまう。
「と、取りあえず食べちゃお」
「うん、、、」
「勉強会はまた今度、外出て話し合お?」
「うん、ごめんあおいちゃん」
また食べ始める、、、やっぱり、味がしなかった
店を後にして、あおいちゃんの研究室へ向かって歩く。あおいちゃんは新薬の研究が趣味なため、自宅の地下に研究室を造っている。「あおの研究室なら誰も来ないし誰にも話を聞かれない」と言ったため、そこで話し合いをすることになった。
「おじゃましまーす」
「はーい、こっちこっち」
鉄製のはしごを降りていくと、頑丈そうな壁でできた廊下に出た。やっぱりここはいつ来てもすごいな〜、ワクワクする。少し歩いていくと一つの部屋に通された。
「入って〜」
「失礼しまーす」
「じゃまずは、、、あおってどんな匂い?」
「え、、、いや普通かな?」
「なるほど、あおはその他か。じゃあマックにいた時、甘い匂いとかした?」
「あーうん、まあしてたかも」
「その匂いを嗅いで、なんか感じた?」
「いや、特には」
「なるほど、、、じゃあフォークとしての本能は薄いのか」
あおいちゃんが何かブツブツと言っている。俺もフォーク、ケーキ、その他、についてなんとなくは理解している。でもまさか自分がフォークになるなんて思わなかった。これから、どうしよ、、、
「、、、」
「しんちゃん?」
「ん?どしたのあおいちゃん?」
「、、、今日は一回解散しよっか」
「ああ、うん、そうだね」
「しんちゃんはこのこと、親に言うの?」
「え?」
真剣な面持ちであおいちゃんが尋ねてきたから一瞬思考が停止した、そっか、、、気軽に話していい内容じゃないんだ、これ、、、
「い、、、言わない、かな。やっぱり心配かけちゃうし、味がわかんない以外は生活に支障ないからさ」
「わかった、なんかあったらいつでも相談乗るからね!」
「うん、、、ありがとあおいちゃん」
あおいちゃんの家を出て少し歩いて行くと、人の居る通りに出てきた。歩きながら、大きく息を吸う
「甘い、、、匂いだ」