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夕暮れの公園。
不破湊は、小さく震えながら小道を歩いていた。
背中に生えた羽が、白く輝くはずの羽ではなく、黒く染まっているのを、不破湊は酷く実感していた。
黒く染まった羽を見て、胸の奥に重苦しい感情が押し寄せる。
不破湊「……ごめんね……ごめんね……」
涙が止まらず、声は掠れ、震えている。
自分が今まで守ってきた純粋さを失ったこと、何千年生きてきて初めて知る快感の余韻が残る体を恥ずかしく思う心の矛盾。
そのとき、公園の広場に待っていた4人の姿が見えた。
剣持刀也、甲斐田晴、加賀美ハヤト、三枝明那。
4人は不破湊の姿に息をのんだ。
黒く染まった羽が、光の中でわずかに揺れ、普段見慣れた純白の羽とは明らかに違う。
剣持刀也「…ふわっち、どうした…の?」
加賀美ハヤト「羽……えっ……?」
三枝明那「……な、なんでそんな……」
甲斐田晴「……なんで……羽が……?」
不破湊は肩を小さく震わせ、泣きながら羽を抱えたまま立っていた。
不破湊「……ぼく……ごめんね……みんな……」
4人は何が起きたのか理解できず、ただ呆然と見守るしかなかった。
羽が黒く染まっている理由も、不破湊が泣いている理由も、まだわからない。
剣持刀也は慎重に一歩近づき、声をかける。
剣持刀也「……ふわっち、泣かなくていい……大丈夫だから……」
加賀美ハヤトも少し距離を詰め、手を差し伸べながら静かに言う。
加賀美ハヤト「……怖かったのかな……?とにかく、今は落ち着こう」
三枝明那は胸に手を当て、震えた声で言う。
三枝明那「……大丈夫、俺たちがいる……」
甲斐田晴は少し離れて立ちながらも、目を見開き湊を見つめる。
甲斐田晴「……不破さん……どうしたんだろう……」
不破湊は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、そっとその手を握る。
不破湊「……ぼく……もう……どうしていいか……」
4人はまだ理由も知らず、ただ目の前の無垢な存在が泣いていることに心を揺さぶられた。
その温もりや視線が、黒く染まった羽を抱えた不破湊の胸の奥に少しずつ届き、緊張で固まった体を包み込む。
不破湊「……ごめんね……本当にごめんね……」
小さく震える声で、何度も何度も謝る不破湊。
4人は言葉を選びながら、まずは泣いている不破湊を安心させる事だけに集中する。
剣持刀也は肩に手を置き、優しく背中を撫でる。
加賀美ハヤトは距離を保ちつつ、柔らかく声をかける。
三枝明那はそっと羽の近くまで手を伸ばすが、触れることはせず見守る。
甲斐田晴は黙って立って、湊の目をじっと見つめるだけ。
黒く染まった羽、震える肩、嗚咽混じりの声。
不破湊が泣き続ける間、4人はただ傍に立ち続けた。
理由も分からないのに、彼の無力さや恐怖、苦痛を想像して、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
不破湊「……ぼく……天使じゃなくなっちゃった……」
その声に、4人は改めて驚きと不安を抱く。
だが今は何よりも、泣いている不破湊を守りたい。
ただそれだけが心を支配していた。
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