モチベーションの関係で展開が急になってしまったかもしれません😔ですが最後まで書くので良ければ見てほしいです🙏
ほしるべと少し距離をおいてからは順調に時間が進んでいった。
「あ”ぁ”あ”あ”、!それズルいよリトくん!!汗」
「ははっ笑笑テツ下手すぎ〜。………はい俺の勝ちな〜」
「ぐぬぬぬ…」
たまに昼ごはんを2人だけで食べたり、放課後にはゲーセンで遅い時間まで遊んだり。
別にほしるべといる時が楽しくなかったわけではないが、やはり恋人と長い間過ごせるのは良いものだ。
「わ、リトくん。もうこんな時間だ汗」
「やっべ。そろそろ帰らねぇと怒られちまう!」
そして今日も今日とて、かなり遅い時間まで遊んでしまった。
「お前1人で帰れる?送ってやろうか?」
「え?…いや大丈夫だよ」
「テツが攫われたりでもしたら俺悲しいからな〜」
「だっ、、大丈夫だし…」
優しくて気遣いのできるこの恋人はいつものように家まで送ってやろうか。なんて言ってくれる。
でも流石に申し訳ないので断るとチュ、と軽くキスをしてきて「じゃあな」と手を振って行ってしまった。
唇が触れた所から顔がぶわりと熱くなるのを感じる。
「………リトくんのばか//」
次の日の昼頃
「おい、ほしるべ…」
「ぅ〜ん……」
「おい、ほしるべ」
「う〜ん、、、」
「おい、怒」
ロウが何度呼びかけてもほしるべは机に突っ伏したまま起きようとしなかった。夜ふかしでもして睡眠不足なのかもしれないが早く起きてもらわないと困る。
「購買のパン売り切れちまうんだけど。早く起きろ 」
流石に苛ついたロウがほしるべの座っている椅子を蹴りながらそう言うとほしるべはゆっくりと体を起こした。
「別に小柳くんが買ってきてくれてもいいのに」
「なんでだよ。行くぞ」
「あ、このパンほしるべ好きじゃなかったっけ」
「え、いや。好きじゃないですよ」
「そっか」
いつも以上に種類が残っていなかったが幸い食べれそうなものはまだ置いてあった。
昼ご飯を買い終えた二人は再び教室に戻りパンを食べ始める。
「…むぐ…………ねぇ小柳くん」
「ん、、なに?」
ロウがココアを飲んでいるとほしるべが喋り始めた。普段会話しないわけではないが食事中に話すのは珍しい。
「なんで小柳くんは皆とお昼食べないんですか」
「皆って…イッテツとかウェン達とかの事か?別に理由なんてねぇけど」
「ふーん」
ほしるべはイッテツという名前に一瞬反応したようだったが、すぐにパンに意識を戻したようだった。
「じゃあ、小柳くんはなんで俺と一緒にいてくれるんですか」
「んー……」
「お前が変なことしない為、かな」
それから数日後
「……佐伯ー!」
「あ、カゲツくん!どうしたの?」
リトと昼ごはんを食べ終えたイッテツが廊下を歩いていると後ろからカゲツがやって来た。
「さっきほしるべに言われたんやけど。今日の放課後図書室に来て欲しいって」
「えっ、、るべくんが??」
「うん、伝えといてって言われたで」
カゲツはそれだけ伝え終わるとどこかへ行ってしまった。
「……どうしよう」
「そろそろるべくんとも距離取るのやめようかなぁ。流石にもう大丈夫だと思うし」
そういえばるべくんと初めて会ったのっていつだっけ。
ーーーたしかるべくんの家が 引っ越しの挨拶をうちの家までわざわざやってきてくれた時。特に会話したわけじゃないけど第一印象は“フワフワした不思議な感じのする子”だった気がする。
それからよくるべくんの家に遊びに行くようになって。
「遊びに来たよ!」
「嬉しいです!上がってください〜」
僕はるべくんに対して大人っぽい子だなと思うようになった。
もちろん理由に、丁寧な言葉遣いとか、ちょっと不思議なオーラがあるとかも挙げられると思う。
でも一番の理由は多分…
「今日もるべくんだけ?」
「そうですよ」
彼がいつも家に一人だったから。
るべくんがよく家で一人になることに気づいてからは、幼いながらに可哀想だと思って頻繁に遊びに行くように意識していた。
「ねぇ、今日もよるご飯ひとりでたべるの?」
「はい、そうですよ」
寂しさなんてこれっぽっちも感じさせない綺麗な瞳だと思った。
「じゃあさ。ぼくの家で一緒に食べない?お母さんに頼むから!」
「いや、大丈夫です。おれは家で食べますから」
「そっ、、か」
るべくんが僕の家に来たことは一度も無い。僕も初めて誘って断られて、それ以降はもう誘わなくなった。
なんだか自分の家族との仲の良さを自慢しているみたいに思えたから。
ピーンポーン
「はーい……って。イッテツ??」
「えへへ。ご飯持ってきたからるべくん家で食べてもいいかな?」
「…いいですよ」
僕はどうすればるべくんのそばにいてあげられるかなんて考えて、結局思いついたのが夜ご飯を一緒に食べることだった。
でもるべくん家に行ってそれを提案したら凄く笑顔になってくれたから、僕はそれが嬉しかった。
「これ美味しいですね」
「うん!ぼくこれ好きなんだよね!」
段々僕とるべくんの関係は深まっていった。
ーーー◯歳になった頃、僕はドキドキしながらこんなことを言った。
「あのさ、ともだちにならない?」
「…友達?」
いつも冷静なるべくんがその時だけはポカンとした顔をになっていたのを覚えている。
「そう!ともだち…ううん。ぼくたちならしんゆうかも!」
「……なりたい、、です…」
珍しく照れて声の小さくなった返事を僕は受け取った。
「やったぁ、ぼく。るべくんとしんゆう!!」
「ふふ笑。嬉しい」
そしてこれをきっかけに僕達の関係は少し変わった。
「っ〜〜……ぷはッ」
「苦しいよ、るべくん…」
「ごめんなさい。でも、イッテツともっと仲良くなりたくて」
◯◯歳の頃、僕はるべくんからキスをされるようになった
「次はぎゅーってしてもいいですか?」
「………いいよ!」
もうその時はかなりるべくんと仲良くなっていたから、スキンシップに嫌な気持ちを持つことはなかった。
「ねぇねぇるべくん。なんでちゅーしたりぎゅーってしたりするの?」
「……嫌、でしたか?」
「全然?」
僕は純粋に疑問だった。別に全部の行動に意味がないといけないとまでは言わないけど。あんまり自分の考えを話してくれないるべくんがこんなにも望む行為に一体どんな意味があるのかって。単純な子供の持つ好奇心だ。
「きすとかハグとかはね、愛を伝えるためなんです」
「あい?」
「あー、難しいですよね。なら親友だから…って言ったら分かりますか?」
「しんゆう!そっかぁ、ぼくたちしんゆうだもんね!」
それから僕はキスとかハグは友達、とか親友とするものだと思い込んでいった。もしかしたらるべくんも騙したかったわけじゃなくてただ単に僕が勝手に間違って認識した結果だったのかも。
「ねぇるべくん」
「何ですか?」
「るべくんって行きたいところとかある?」
いつも僕ばかり話している気がしてなんとなくそんな事を聞いた。もし可能ならるべくんの行きたい所にも行けるし。なんて、僕は天才か何かだと思った。
「俺の行きたい所………」
「海、とかですかね」
「へぇ海かぁ!いいじゃん!行こうよ!!」
なんでるべくんが海に行きたかったのかは今でも分からないけど、僕は彼の心の内が少ししれた気がしてただただ嬉しかった。
でも結局海に行くことはなくて、それからまた日々が続いていった。
ーーーそして今日の放課後
僕はるべくんに呼ばれ、図書室へ向かった。
本が棚にたくさん積まれている。僕はるべくんを探して奥へ奥へと進んでいった。
そして一番奥の棚の本をじっと見ている彼を見つける。
「るべくん、来たよ」
「あ、よかった。来てくれたんですね」
ここまで奥に来ると棚においてある本は分厚いものばかりだった。るべくんは一体なんの本を見ていたんだろう。
「で、僕になんの用だった?」
「んー。それは……」
するとるべくんは僕にゆっくり近づいてきた。僕の目をじっと見て。それからいつものように抱きついてきた。
「最近会ってくれなかったから…。もう、いいんじゃないですか?前みたいに俺に接してくれても…だって、、」
僕はまた同じことを繰り返してしまうと思った。だから、僕はるべくんを自分の体からゆっくり引き剥がした。
「ねぇるべくん。僕、もう一回ちゃんと言うね」
「何を…ですか?」
「もう君とは前みたいに接せない。キスは好きな人とするし、ハグも…まぁ回数とか減っちゃうと思う。そのうえでまたるべくんと友達として接していきたいな」
こうするのが正解だよね。
だって僕、ずっとるべくんと友達でいたいから。るべくんの事嫌いになんてなりたくないから。
僕が一通り喋り終えると、るべくんは少し僕の言葉を受け入れるのに時間がかかっているようだった。
そして少しの沈黙のあと口を開いた。
「イッテツ、本当はね。俺知ってるんです」
「キスすることがどういう事なのか」
「………え?」
「でも、イッテツは俺が言うこと何でもすぐ信じてくれたから。だからイッテツなら…って」
そっか、知ってたんだ。まぁ昔から何でも知っていそうな雰囲気だったけど。やっぱり僕は、騙され……_ううん。そんな風に思っちゃ駄目、、だよね。
「るべくん、あのさ__」
「でも良かったじゃないですか!別にこのままでも!だってイッテツは俺の事好きだったでしょ?なら別に………」
「え、、っ。何、どうしたの?汗」
るべくんはいきなり怒鳴り声を上げた。彼のこんな声は初めて聞いた気がする。
もしかしたらこれも数少ないるべくんの本心なのかも。
「イッテツなら俺の事、愛してくれるって。思って……」
凄く苦しそうな顔だった。
咄嗟に抱きしめてあげたくなるような。
「イッテツはもう俺の事なんて嫌いになっちゃった?」
ほしるべはそう言いながら右手でイッテツの頬を撫でた。イッテツは慌ててその言葉を否定する。
「だから違うよ!るべくんはずっと僕の親友で、大切な人で」
「ただキスとか、そういうのは違うって、それだけで…」
ほしるべはそれを聞いてもまだ頬を撫でた。そして両手でイッテツの肩を掴むと顔を近づけて唇を噛んだ。
「イッテツの嘘つき」
「えっ…」
ーにゅる、と
その瞬間るべくんの背中……いや、恐らく毛髪が何故か自我を持った蛸の足のように伸び、僕の体にまとわりついた。
「なにこれ、っ……るべく_」
「ひ、ぁ、…っ!服の中入ってき…っ…」
「実は俺蛸だったんですよ〜………なーんて。イッテツが悪いんですからね」
その触手がぬるぬると僕の体を覆った時。
「おい、ほしるべ!」
るべくんの後ろからロウくんが走って現れた。
「!、、小柳くんがなんでここに」
「イッテツ!リトが…お前の事探してたぞ」
「!」
るべくんががロウくんに気を取られた瞬間、その言葉を聞いて僕は素早く飛び出して走った。
「じゃあね、るべくん!汗」
「あ、、しまった…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
続きます
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