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「久しぶり!元気にしてた?」
仁人くんの後ろにくっついて入るなり、挨拶をしてくる舜ちゃん。面識がないわけではないけど、やっぱり彼の人懐っこさにはまだ慣れない。
「ぅん、してるよ。してたよ、。」
「お、陽菜じゃん!元気?」
「ふふ、元気ですよ、?」
舜ちゃんと似たようなことを聞いてきた佐野さんに、不覚にも笑ってしまった。
「え、なに?なんで笑ったの?」
「…舜ちゃんにも元気にしてた?って聞かれて、なんだか似てるな~って、。ふふ。」
「そういうことね。」
実はまだ、仁人くん以外の人たちには警戒中でうまく話せないことの方が多かったり、?
「楽しんでってね。」
「はい、。」
初めて来た横浜アリーナ。
初めて、ライブに来た。
ペンライトと呼ばれるものも初めて持った。
ツアータイトルは
『HAPPY HAPPY HAPPY』。
略してハハハッピー。
そう、塩﨑さんが教えてくれた。
『み!るきーず』と呼ばれる彼らのファン 。
少し場違いかもなって思いながら
案内された席に着いた。
時間になってオープニング映像が流れる。
わくわくしてるのが自分でもわかった。
キャー!
沢山の歓声と共に、プレゼントBOXから登場した5人。見慣れない佐野さんの金髪に、頭が混乱する。あれ、?さっきまで黒だったよね、?
スポットライトを浴びて
歌って
踊って
笑って
本当にみんないい表情で。
こんな沢山のみ!るきーずさんを
5人はこんなに幸せにしてるんだって
改めて実感して
気付いたら涙が頬を伝っていた。
「幸せになれた?」
ライブ終わり、柔太朗さんが私の顔を覗き込んだ。
「…なれました、。」
思ってた以上に鼻声で
涙を堪えるのに必死で声が震えて
「なんで泣くの?」
心配させてしまった。
「っ、…幸せなんですぅ、。」
「ん、涙脆いからね。」
「別に涙脆くないし、。」
仁人くんの前だと
かわいくなんてなれないけど
それでも私を見放さないから、。
「いーや、陽菜はよく泣くよ」
笑いながら言ってくるもんだから
「知らない。」
って、素直じゃない返し。
「今日、すごく楽しかったです。」
「素敵な時間、ありがとうございました。」
5人とスタッフさんにお礼を言えば
「それが俺たちの仕事だよ」
仁人くんが得意気に笑った。
「あのね、あの、」
家に帰ってもなお、興奮気味に話し続ける私を仁人くんは、優しい眼差しで聞いてくれた。