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祝🎉退院
土曜日の朝。
病院の空気は少しひんやりしているけれど、明るい光が窓から差し込む。
×××は松葉杖を手に、最後の準備をしている。
「……今日、帰れるんだ……」
小さく息を吐き、胸の奥がわくわくと高鳴る。
でも、同時に少しの緊張もあった。
帰るのは自分の家ではなく、キルアの家——
両親がいない寂しさも心の片隅にある。
「大丈夫……キルアが待っててくれる」
その言葉を胸に、少し自分を勇気づける。
キルアはすでに病院の駐車場で待っていた。
部活も学校も早く切り上げて、朝一で来てくれたのだ。
×××の姿を見つけると、自然と笑みが溢れる。
「×××……おはよう。今日は家に帰る日だな」
少し照れくさそうに、でも温かく声をかけるキルア。
×××も小さく笑い返す。
「おはよう……キルア……待っててくれたんだね」
キルアは手を差し伸べ、×××の手を握る。
「もちろんだ……さあ、行こう。家に帰ろう」
腕を差し伸べ、松葉杖を使う×××を支えながら、二人で歩き出す。
病院を出ると、土曜日の柔らかい光が二人を包み込む。
小さな不安もあったけれど、それ以上に、心の奥に広がる温かさが二人をつなぐ。
「……やっと、家に帰れるんだ……」
×××は心の中でつぶやき、少しほっとした表情になる。
キルアもそっと笑みを返す。
「よかったな……×××」
その言葉に、×××はまた小さく笑う。
そして、二人だけの、甘くて温かい帰路が始まった。
キルアの家に到着した瞬間、×××の胸はわくわくと緊張でいっぱいだった。
「……家って……やっぱり、キルアの家……」
松葉杖を使いながら玄関を抜けると、温かい光と香りが迎えてくれる。
「おかえり、×××!」
キルアのお母さんが両手を広げ、にこやかに笑って迎えてくれる。
「本当に、よく頑張ったわね!」
お母さんの声には、血の繋がりはなくても、まるで自分の子を抱きしめるような優しさがあった。
「×××ちゃん、怪我大変だったでしょう。よくここまで回復したわね」
キルアのお父さんも笑顔で手を差し伸べる。
「うん……もう泣かなくても大丈夫だぞ」
声をかけられた×××は、思わず胸がいっぱいになり、少しだけ目を潤ませる。
「……ありがとうございます……」
涙をこらえつつも、自然に笑顔がこぼれる。
「みんな……本当に温かい……」
ゴンもすでに来ていて、元気いっぱいに声を上げる。
「わー!×××、元気そう!よかったー!」
と松葉杖を軽く叩きながら、楽しそうに笑う。
「怪我大変だったけど、もう安心だね!」
キルアは×××の隣に立ち、腕をそっと回す。
「なあ、×××、今日はお祝いだ。好きなことして楽しもう」
×××は少し照れながらも、心から嬉しそうに笑う。
「じゃあ……みんなでご飯食べるの?」
「もちろんだ!」
キルアのお母さんが手際よく、退院祝いの特別な料理を並べる。
温かいスープ、彩り豊かな料理、そしてデザートまで。
ゴンも席につくと、にぎやかに話し始める。
「×××、退院おめでとう!今日は食べたいもの全部食べちゃおう!」
「うん……ありがとう、ゴン……」
×××は笑顔で応え、少し緊張しながらも、みんなに囲まれた幸せを感じる。
キルアのお父さんがにっこり笑いながら、×××の頭を軽く撫でる。
「本当に、うちの子みたいに可愛くなったな。怪我もよく耐えた」
キルアのお母さんも手を握りながら、優しく頷く。
「これからは家でも無理せず、ゆっくり過ごしてね」
×××は胸に手を当て、静かに微笑む。
「うん……ありがとう……キルアの家……温かい……」
キルアもそっと手を握り返し、額を×××の頭に寄せる。
「おかえり……ずっと待ってたぞ」
ゴンもにぎやかに笑いながら、みんなで食卓を囲む。
「さあ、退院祝いだ!いっぱい食べて、また元気にバスケできるようにしよう!」
×××は周りを見渡す。
温かい笑顔、楽しそうな声、そして隣にはキルア——
「……幸せ……」
小さく呟き、胸の奥がじんわり温かくなる。
みんなの笑顔と声に包まれ、×××の心はほっと落ち着いた。
退院祝いは、ただの食事ではない——
家族のような温かさと、幼馴染との絆を再確認する、大切な時間だった。
夜になるころには、×××は満面の笑みでキルアやゴン、お父さんお母さんと笑い合い、体も心も少しずつ日常に戻っていった。
「これからも……ずっと、ここで過ごせるんだ……」
胸に小さな幸せを感じながら、×××は笑顔を輝かせるのだった。
to be continued…