テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「もちろん結婚式は、やりたいんだけど、このコロナ禍だし……」
「美優さんのご両親とご相談した方がいいんじゃない?お父様やお爺様の立場もおありだし……」
「そうだなぁ、顔合わせして、相談しようか?」
「そうよね〜お父さん!」
「うん、そうだな」
「明日、婚姻届を提出するなら、お式は、落ち着いてからでもいいかもしれないわね。予約取れないんじゃない?」
「そうだなぁ」
「美優、順序が逆になるけど、両家の顔合わせしようか……」
「そうね」
「顔合わせ、次の土曜日は、どう?」
「あら、急ね、うちは、大丈夫だけど……」
「じゃあ、あちらのご予定を聞いて、場所を押さえるよ。ちなみに、式をするなら神前? 教会?」
「私達は、神前で挙げたけど、別に今は、仏教でも教会でされてるし、どちらでもいいんじゃない?」
「じゃあ、それは勝手に選んでもいいね?」
「どうぞお好きなように〜私達は、呼んでもらえるだけで嬉しいわ、ふふ」
「曜日や場所も?」
「土日祝日ならいつでも、場所もどこでも構わないわよ。そりゃあ駅から近ければ、行く人は助かるけどね」
「基本的に、2人で決めて、あとは、美優さんのご両親のご都合を聞けばいい。上司なんだし……ワシらは、いつでも構わんよ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「来週、楽しみにしてるわ。なんなら、今、ご両親にお電話で確認してもらってもいいわよ。OKならすぐに場所も予約出来るし、美優さん、あちらのお部屋へ案内してあげたら?」
「そうしようか?」
「はい、ありがとうございます」
2人で別室へ、昔、洋平が使っていた部屋だ。
「へ〜ここで育ったんだ」
「うん、そうだよ」
「小さい頃のアルバムとか見たい」
「じゃあ、あっちへ持って行こうか」
「うん、じゃあ先に、電話するね」
実家へ電話し、母に確認、土曜日OKとのこと。
「良かった」
「お父様もお母様もお優しくて明るい方ね」
「うん、まあ〜いつもあんな感じ。だから大丈夫!って言っただろう?」
「うん、良かった」
チュッ
「あ! もう〜ついたってば」唇を拭き拭き
「戻ろうか……」
「うん」
和室へ戻り、OKだったので、顔合わせが出来る個室を探す。
ホテルの個室が空いていたのでお昼に予約した。
部屋から洋平のアルバムを持ってきたので、
それを見ながら盛り上がる
「洋平可愛い〜」あ、呼び捨てしてしまった……
「可愛いでしょう、弟の航平も可愛いのよ」
「あ、ホントですね〜可愛い〜」
ピンポーン
用意してくださってた、仕出しの懐石料理が届いた
「お寿司だけだと男性陣は、足りないかと思って、
頼んでたの」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
その時、弟の航平が帰って来た
「はじめまして〜」
「あ、はじめまして、鈴木美優と申します」
「弟の航平です。すみません、急用で出かけてまして……」
「いえ、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「良かったわ。間に合って……
お昼ご飯、皆んなで一緒にゆっくりいただきましょう」
「はい、いただきます」
楽しく会話しながら、
すっかりご馳走になり、帰路へ
「楽しかったね」
「それなら良かった」
「皆さん、教師をされてるって聞いてたから、
実は、もっとお堅くて厳格な方なのかと思ってたの」
「全然〜」
「そうよね、じゃないと生徒たちと上手くやっていけないわよね。さすが接し方がお上手って思ったの。勉強になったわ」
「えらく褒めてくれるね〜聞いたら喜ぶよ」
「ホントに! こんな気持ちで帰れると思わなかったから、嬉しい。あのご両親に育てられたから、洋平も素敵なんだよね」
「美優〜それは、すっごく嬉しい〜」
ぎゅっと手を握る
「ふふ」
美優の父には、すでに証人のサインをもらっている。
「明日、結婚しような」
「うん」
「美優が奥さんになる! 嬉しい〜」
「洋平が旦那さんになる、ふふふ」
「今日、眠れるかなぁ〜」
「疲れたから眠れるんじゃない?」
「《《まだ》》疲れてないよ」
「え〜どういう意味だろう〜ふふ」
無事に帰宅。
「あー!」
「何? 美優どうしたの?」
「今日って結婚前日よね?」
「うん」
「あ〜結婚する前の日は、両親に『今まで育ててくれてありがとう』って、挨拶したかったのになぁ〜」
「そ、そうなんだ、案外古風だね……」
「22歳の時は、覚えてたのに……」
「え? 俺のせい?」
「そんなことないけど……」
「今から行く? それとも電話にする?」
「味気ないなぁ〜でも、しないよりマシか……リモートにしようか? 出来るかなぁ、父と母」
「お父様は、リモート会議もされてるから出来るんじゃない?」
「会社じゃ、きっと誰かに設定してもらってると思うけど……」
「今なら、まだ起きてるよね、かけようか?」
「あ、ちょっと待って、着替えるから……」
「え? 挨拶だから、逆にそのままの方が良くない?」
「あ、そうだな、じゃあ俺からは報告ということで……」
「背景これでいいかなぁ?」
「うん、じゃあかけるよ」
「うん」
「お〜美優どうした?」
グラス片手に父が出た
「あれ? まだご飯中だった?」
「いや、ゆっくり一杯やってる」
「美優〜」と母が横から手を振る
「あ、お母さん」
「あら、洋平くんも〜」
小声で
「なんだか2人ともご機嫌だね……」
「そうみたいね」
「じゃあ、まず俺から報告するよ」
「うん」
「お父様、お母様、本日、ウチの実家へ行って参りまして……」
「あ、はい、ちょっと待って!オイTV消してくれ」
「はい」
「あ、すまないね、どうぞ」
「本日、美優さんとウチの実家へ行って参りまして、無事に婚姻届に父の証人のサインをしてもらいましたので、明日、提出したいと思います」
「あら〜おめでとう〜」
「そうか、おめでとう!」
「ありがとうございます。つきましては、美優さんからお話があるようですので、聞いてあげてください。美優……」
「お父さん、お母さん、こんな形で申し訳ないですが……27年間、育ててくださり、ありがとうございました。明日からは、洋平さんと新しい家庭を築き、お父さんお母さんのような素敵な夫婦になります。これからも見守っていてください」
「美優〜〜〜」両親とも涙している
──1人娘だし、そりゃあそうだよね〜
「幸せになりなさい」
「幸せにね〜」
「はい、ありがとう〜」
「お父様、お母様、美優さんと幸せな家庭を築いていきます。これからもよろしくお願い致します」
「はい、美優を頼みます。何かあったら私は、ずっと見てるからね……あははは」
──笑えない……
「お父さんったら、洋平さんなら大丈夫よ、美優をよろしくお願いしますね」
「は、はい! このような形で、直接お会いしてお話出来ず、申し訳ありません」
「いや、また会社で会うし……家も近いし、いつでも帰って来なさい」
「うん」
「2人でも帰って来てね」と母
「ありがとうございます」
「じゃあ、明日、提出して来ます」
「うんうん、分かった。連絡ありがとう」
「それでは、失礼致します」
「はい、じゃあ」
「おやすみ〜」
「おやすみなさい」
「はあ〜やっぱり緊張する〜」
「ん? 美優、大丈夫?」
「うん、やっぱり泣けるね……」
むぎゅー
「よくがんばったね、ヨシヨシ」
「うん……」
「しっかし、便利な世の中になったよなぁ〜」
「どこに居ても顔が見れる」
「でも、変な格好出来ないね」
「そうだな、こういうのとか……?」チュッ
「そんなのお父さんが見たら卒倒するわ、イヤ激昂かなぁ」
「いや、もう夫婦だし……」
「まだだよ〜あ〜今日独身最後だった〜何かやり残したことないかなあ?」
「そうだね、明日からは、人妻だし……ふふ」
「なんだろう、洋平が言うと卑猥に聞こえる」
「ふふふ、奥さ〜ん」
「ヤダ〜変態〜」
「さあ、《《寝る》》よ」
「ほら、やっぱり卑猥……ふふ、ダメよ、新婚初夜は明日だから」
「え〜新婚初夜 前夜祭!」
「何よそれ〜洋平は、毎日がお祭りじゃないの〜!」
チュッ、チュッ
「あ〜ダメ! お風呂〜」
「じゃあ一緒に入ろう〜♡」
相変わらず、仲の良い2人だ。