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私は、ミクが好きだ。
女の子に恋をしてしまうなんておかしいだろうか。
艶やかな青緑の髪に、青色の目。
可愛らしい服装。
可愛らしい声。
私に笑いかけてくる笑顔。
なにもかも大好きだ。
でも、最近はお互い忙しくて電話でしか喋ることがなくなった。
それでも大好きで、毎日電話していた。
ただ・・・思うところはある。ミクがいつも私に嘘をついているのだ。
聞いていないのか、と思うほど見当違いなことばかり言われるのだ。
電話で話す時間は私にとってとても心地良い時間。
だからこそそんなことは我慢している。
この時間が壊れてほしくないから。
さすがに「笑えないけど」と言ったら「面白いね」と言われたのはムカついたけれど。
それでも、今日も電話をする。
「チョコレート食べたいときあるよね」
・・・・・・無言
「ノーメイクで可愛い子無敵だね」
・・・・・・無言
「腹立つけどあいつ優しいよね」
・・・・・・やっぱり無言
もっともっと話を聞いてほしいのに。
でも、こっちの「好き」が届いていればいい。
話がいつも一方通行で、正直面白いとは思えない。
心地いいから、ミクと少しでも話せるから電話する。ただそれだけ。
こんなのを恋愛と言ってはいけないのだろうか?
夜明けまで2人喋っているのに、まるで独り言みたいに回答が来ないのだから。
臆病で劣等生で、まだまだ未経験のことがいっぱいのぼくたちの恋愛だからおかしいのだろうか。
それでも・・・世界中は「好き」で溢れてるから。
ひとりきりみたいでもきっと大丈夫のはず。
あなたは今どんな感じ?
−ミク視点−
「パスコード毎回入力面倒だね」
・・・・・・無言
「GPS追跡アプリ便利だね」
・・・・・・無言
「今夜は満月が綺麗だね」
・・・・・・やっぱり無言
もっと話を聞いてほしいのに。
私はリンのことが好きだ。
可愛くて、とっても声が綺麗で。
歌がうまくて、美人で。
でも、そんなに好きだからこそ・・・「自分」が出せない。
嘘ばかりついている。
私を見てほしいから。
嫌われたくないから・・・。
だからお願い、もっと私を見て・・・!
リンのSNSのハートマークをなんとなく消した。
SNSにリア友がハートを押すなんて、「好き」って言っているのと同じのような気がして。
勇気がなくてフォローは外せないけれど、きっと照れ隠しだからだろう。
ドキドキに気づかれないように電話をするたび、自分ではないような気がする。
他言語を使っているような気がする。
それでいいのか?って言われたらそりゃそうじゃない。
もっと、ちゃんと話したいのに!
きっと私はリンにとって、八等星みたいな暗い星かもしれない。
私以上の、一等星がいるかもしれない。
でも、私が一等星だって想像して、夢見て。
心の奥深くに閉じこめてしまった迷子の恋は、リンにはわからない。
他人事だろう。
受話器からはリンの声がちゃんと聞こえるのに、なんだか遠のいているような感じがした。
−どちら視点かは想像にお任せ−
ふと投稿した恋バナのコメント欄を見て思う。
「かまってちゃん」
「身勝手」
なんで?
私あの子を悩ませちゃってるかなと思って、悩んで悩んで不安になって、その気持ちも黙って泡になって消えてしまいそうで。
すれ違ってしまってるのはわかってる。
無関心でも・・・心地が良いから安心する。
無関心と安心が紙一重の時間だろうなと思う。
ねぇねぇねぇ。
そうメールを送る。
今日は電話じゃなくて。
やっぱり返信は来ない。既読無視だ。
臆病だから・・・「ちゃんと話して」なんて言えない。
でも、それでも“私達”が言いたいことは
あなたは今どんな感じ?
二人とも大好きな感じ?
片方を選べない感じ?
私達の話じゃなくて・・・いつも私達が頑張って歌った曲を聞いてくれているあなたに。
これを聞いてみたいだけなんだ・・・!