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薄暗い部屋に、金属が擦れ合う冷たい音だけが響く。椅子に深く拘束されたれてんの指先を、ジャダムはまるで宝物に触れるかのように優しく撫で上げた。
「……ねえ、れてん。そんなに震えないでよ。せっかく二人きりなんだから」
ジャダムの声は、いつもの動画で見せるトゲのある口調ではなく、耳に心地よいほど甘く、穏やかだった。しかし、その手には鈍く光る細いペンチが握られている。
「……やめろよ、ジャダム……っ、マジでシャレになってないから……!」
れてんの声は恐怖で上ずり、額からは嫌な汗が滴り落ちる。だが、ジャダムは慈しむような微笑みを絶やさないまま、れてんの左手の人差し指を固定した。
ジャダムは爪の端に、ゆっくりと、確実に道具を差し込み、ゆっくりじわじわと爪を剥がしていく。
「あ、がっ……!! あ、あああああ!!」
「あははっ、いい声。笑 でも、もう少しだけ我慢しよっか ほら、力抜いて。お前が暴れると、もっと痛くなっちゃうよ?」
爪が肉から引き剥がされる、生々しく、湿った音が響く。れてんの指先から鮮血が溢れ、ジャダムの白い指を汚していく。しかし、ジャダムは嫌がるどころか、愛おしそうにその光景を見つめている。
「……はぁ、はぁ……っ、……殺して……殺してくれ、…!」
「そんなことするわけないじゃん。お前がいなくなったら、俺が退屈で死んじゃうよ」
ジャダムは剥がれかけた爪をさらにゆっくりと、神経を逆撫でするような速さで引き上げた。れてんの身体が大きく跳ね、やがて力なく項垂れる。
「あーあ、泣いちゃった。可愛いね、れてん。……大丈夫だよ、まだあと九本もあるから。ゆっくり、一晩かけてお前の全部を俺に刻みつけてあげる」
ジャダムは真っ赤に染まったれてんの指先に、優しく、熱い接吻を落とした。
「ねえ、嬉しいでしょ? こんなに愛されてるの、世界中でお前だけだよ?」
狂気を含んだ穏やかな瞳が、暗闇の中で爛々と輝いていた。