マジックショー。
その準備の手伝いを頼まれてしまった訳だが…とりあえず、体育館に集合と言われたし、そこに行けば良いんだよな? どんな用意をするのかは知らないけど。
電子手帳で地図を確認しながら足を進めていく。
一緒に行ってくれたって良いじゃんね、と思ったが、他にも人を集めてくるから無理と言われた。
どんだけ大規模なショーをするのか知らないけど…まぁ、楽しみだ。
葛葉 「 えーっと…。 」
体育館の扉を捻ると、そこには既に3人の姿が見えた。
加賀美 「 あ、葛葉さん! 」
不破 「 お、ズハー! 」
長尾 「 おっ…すぅー 」
…なるほど、男を集めてんだな。あと何人来るか知らんけど。
葛葉 「 お前らも手伝いー? 」
加賀美 「 はい、でも指示もなしに何かと用意するのはあれなので…夜見さんが帰ってくるまで待機中です。 」
不破 「 にしてもマジックショーってどんなんなんでしょうねぇ 前のろふまおの催眠術みたいなのもやるんすか?」
加賀美 「 あぁー、あれはぁー…w もうあんまりやりたくないなぁw 」
長尾 「 あー、かからなかったんでしたっけ? 」
葛葉 「 あれ面白かったよなぁw 」
加賀美 「 もっとほら、定番なやつじゃないですか? 鳩が出たりとかトランプの模様がわかったりとか… 」
葛葉 「 なら 皆でタネ暴こうぜ! 」
不破 「 ええやんそれ 気になるし 」
夜見 「 こんれーな〜…ぁ? なんか盛り上がってますねー。」
加賀美 「 あ、おかえりなさい 夜見さん 」
不破 「 いやぁ、マジック楽しみだなーって話してたんすよ 」
夜見 「 あぁー! 明日やるつもりなので楽しみにしててくださいよ 」
「 とりあえず長尾くんと葛葉先輩はハトを捕まえに行ってくれます? カグが食堂に用意してくれたらしいから 」
「 しゃちょーと不破くんは荷物を運んで欲しいです 」
葛葉 「 わっかりましたー、 」
長尾 「 行ってきまーす! 」
夜見さんの指示の元、俺と長尾景は食堂へと足を運んだ。
長尾 「 てか カグってやつ、ハトまで用意してくれるんすねー。なんでもありって言うか。」
葛葉 「 分かるわー、そこまですんならもう出して欲しいよな。 」
長尾 「 なー。 」
そんな会話を続けた。
…そういえば、いつも通り過ぎて忘れてたけど、甲斐田が殺された件について彼はどう思ってるんだろう。
気になるけど、今話題として出すのは違うか…? ようやく落ち着いてきた所だとか言われたら申し訳なくなるし…。
長尾 「 …聞きたいなら良いですけど。分かりやすいなーずはさん。 」
彼が失笑しながらそう言葉を口にした。
どうやら無意識のうちに難しい顔をしてしまっていたみたいだ。
顔が強ばっているのは自分でも理解出来た。
葛葉 「 あぁ、…うん。いや、甲斐田について大丈夫かなーって。 」
俺が若干気まずそうに話題を切り出すと、長尾はフッと浅く笑って答えた。
長尾 「 …殺したやつは絶対許さないって思ってましたよ、正直。復讐のために殺しても良かった。 」
葛葉 「 おうおう急に物騒 」
長尾 「 まぁでも、事故って言ってたじゃないですか。嘘かもしれんけどw 」
「 本当だとして、俺が犯人を殺したら甲斐田は絶対怒るし…とーじろーにも止められたんで、割り切るしかないなーみたいな。 」
葛葉 「 ほーん… 」
長尾 「 ハハw もう終わった話だしほら、ハト取りに行きましょ! 」
葛葉 「 あぁ、そうね。 」
長尾景は長い髪を揺らして、食堂へと小走りで向かって行った。
俺は早歩きで彼について行った。
葛葉 「 まぁ…割り切れてるから良い、のか? 」
葛葉 「 ハトってどれだァ? 」
長尾 「 調理室とか? 」
葛葉 「 誰かが料理してないと良いな 」
長尾 「 ほんとっすねw 」
食堂へ顔を出して辺りを見渡したが、ハトの鳴き声も聞こえない。
どこにいるんだろう、そう2人で調理室へ向かおうとした所で、
カグ 『 あ、君たちが取りに来たんだね? 』
そう声が聞こえた。
葛葉 「 あ、おっすおっすー 」
長尾 「 おー どもどもぉー。 」
カグ 『 ハトならそこに居るよ、ほら。 』
カグがパチン、と指を鳴らすと、なんでか知らんけど床に四角の切れ目が入って、そこが開いて 近未来的な感じで鳩が登場した。
いやなんだろう、どう反応すれば良いんだろう。なんでそうなった??
カグはなんか誇らしげ(?)にしている。
まぁとりあえず言えることは……
葛葉 「 カッケェ…!! 」
長尾 「 なんだこれw 」
カグ 「 ほら、早く持っていきなよ。夜見さんが待ってる。 」
長尾 「 どうもー。 」
長尾がハトの入ったカゴを手に持ってくれたので、俺はそれについて行った。
コメント
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はぁかいだ、お話おもろいけど涙出るわぁ