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うさぎのサックス吹き

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うさぎのサックス吹き

2 - 2,The charm of rabbits

♥

631

2025年09月20日

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【うさぎの魅了】






カランカラン…


tt『ありがとうございました〜…』


ここは夜の地下街。階段横の細い道にある

バーだ。否、この店を知っている人も少ない。


「よし、片付けして閉めるよ〜」


「楽器の人もありがと、今日はもう良いよ」


「は~い、ありがとうございました〜…」


jp『……』


彼はjp。ここのバーのジャズ、音楽を担当していくれている人だ。あまり喋ったことはないが容姿端麗でつい目を引いてしまう。


「ttもお疲れ様〜、今日は一段と酔ってたね」


tt『ホンマに…酔っ払い相手すんの苦手やねんな…』


「まぁ、誰だっておっさん相手は嫌だよ」


俺はここのバーテンダー。この店はバーテンダーはバニーボーイとして客の接客をする。

俺もその一人としてここのバーで経験を積んできた。…酔っ払いは慣れへんけどな。


「俺テーブル拭くからtt床拭いて」


tt『は~い』


いつも思うけど、そんな客来ないのに汚れは溜まるんだよな…。…誰やキャバクラの名刺落としたやつ…。


tt『…ふぅ………ん?』


tt『…なにこれ?…留め具?』


テーブルの下から何やら金属製の留め具が出てきた。見たことないものだけど、なんだか指輪みたいではめてみたくなる…。


「tt〜?そっち終わった?…って… 」

「何しての?…なにそれ?」

tt『いや…なんかここ落ちてた…』


こっちの床はジャズの人達が演奏していた場所だし…何かの楽器の付属品か…?だとしたらめちゃくちゃ大事なもんかも…。


「楽器の人達のじゃない?今ならまだ間に合うかもだけど…」


tt『ん〜…大事なもんかも知れんしな…』


tt『急いで届けてくる!』


そう言って俺は店の扉を開け、細い道を足早に駆けた。外の街の音はまだ騒がしい。








タッタッタッ……


tt『はぁッ…はぁッ…どこいった…? 』

まだそんな遠くには行ってないと思うけど…。

明日は店も定休日だし、今渡さないと困るかもしれへん…。


tt『……って、俺この格好で出ちゃった…』








〜〜……〜……♪




tt『…この音』


聞き慣れた楽器の音がした。嫌に明るい地下街から、聞き慣れた低い優しい音色が響く。

気づけば俺の足はその音の元へ歩いていた。



がやがや…


tt『うわっ…人集り凄…』


音の方へ行くと物凄い人集りだった。


〜〜〜♪


あまりよく見えないけど、やはりその聞き慣れた音はサックスの音色だった。


「ジャズの人かな?すごいね…」


「待って、めっちゃイケメンじゃない?!」


「ねぇ、後で連絡先聞こうよ♡」


人集りのほとんどは女性だった。

サックス、イケメン、ジャズ……。

…………心当たりしかない…。

人混みをかき分け少し前へ出てみた。




〜〜♪


jp『〜〜♪』


やはり彼だった。俺の大好きな彼が。


〜〜〜♪…………


演奏が終わった。


パチパチパチパチ…!!


溢れんばかりの拍手で俺も圧倒された。

顔がいい男は楽器もお手の物か…。


tt『jpッ…』


ドンッ!!!


「お兄さん♡演奏良かったです!」


「連絡先とか教えてもらえますか〜♡ 」


「ちょっとずるいってば!」


キャアキャア♡


…………近寄れない…。


「何あの人…うさぎ耳つけてんだけど…」


「マジじゃん…きも…」


おい、聞こえてるぞ💢後うさ耳は趣味じゃないからな!💢


jp『……tt…?』










jp『どうしたんですか?なんでこんな所に…』


tt『あッ…いや…これ……』


jp『!…俺のリガチャー!』


jp『ありがとうございます!』


良かった、jpのやったんや…。走った甲斐あったわ…。


jp『どうりでいつもと音色が違うと思った…』


tt『やっぱり必要なやつやったんですね』


jp『うん…結構大事なやつ…』


jp『…本当にありがとう』


tt『ッ!////』


笑った…。俺に向けて…。

かっこよ……////。


jp『…急いで来てくれたんですか?』


tt『へッ?!なんで…!//』


jp『耳、付けっぱですよ(笑)』


ッあぁ~!!外してこれば良かった!

尻尾までつけて来たから無茶苦茶恥ずかしい…


tt『…忘れてて///』


jp『…………これ』


ピンッ…


そう言ってリガチャーを俺の目の前に差し出してきたjpの顔は、無邪気な少年のような笑顔だった。


jp『…指、はめました?(笑)』











続く…

↑♡100

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コメント

2

ユーザー

リガチャーは大事だなぁ

ユーザー

😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻

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