【恋の留め具】
jp『指、はめました?(笑)』
スルッ…
tt『ッッ!//』
jpが俺の手を取る。背丈が大きいだけあって俺の手はすっぽりとjpの手に収まった。
jp『これ…指輪みたいだからはめたくなるよね』
そう言ってリガチャーを俺の指に通すjp。こんなのまるで………。
jp『…(笑)プロポーズみたい』
tt『ッぁ…///』
俺、今どんな顔してるんやろ…。耳まで伝わる熱さと胸の高鳴りを感じるに、相当赤くなってることが自分でも分かる。
ギュウ…
心臓が痛い…。
jp『…お客さんとの会話終わったら、いつも聞いてくれてたよね』
jpはふいに俺から視線を外し、向かいの街灯に目をやる。
jp『ジャズ好きなの?』
tt『……いや…//』
ジャズが好きというか、jpの演奏が好きだから聞いてるだけで…興味がある訳とはちゃうんよな…。
tt『…サックス…好きなだけ…////』
jp『!…ふふ(笑)ありがと』
今分かったけどjpは色んな笑顔をする。演奏する時の朗らかな笑みに歯を見せる無邪気な笑み、そして今みたいなどこか色気のある笑み。
俺ばっか意識して変になる…。
jp『……時間、ある?』
tt『え…?』
jp『いや、良かったら一曲吹こうかと思って…』
スッ…
tt『ッ///』
jp『好きなんでしょ?サックス』
俺の指にはめたリガチャーを優しく撫でながらjpは色っぽく笑う。俺をからかっているのだとは分かっているが、惚れた弱み。真に受け過ぎて辛い…。
tt『…ッ聞かせて…/////』
jp『…仰せのままに』
そういってjpは俺の手をとり、口元に近づけキスをするふりをした。
tt『ッんな!?///』
その素振りがまるでおとぎ話の王子のようで俺の心を掴むのには申し分なかった。口元から手を遠ざけると、jpは優しく俺の指にはめたリガチャーを抜く。
jp『…ちゃんと聞いててね』
………〜〜〜♪
tt『!…』
さっきと音色が違う…。リガチャーをはめたからだろうか。いつも聞いていた大好きな音色だ。
tt『……きれい…』
その音色に虜だった。低くて優しい音色。彼しか出せないその音色が好き。その音を聞いている時だけ、嫌な事なんて全て忘れられるのだから…。
〜〜〜♪………
jp『ッ……どうだった?』
tt『……………ッへ?!』
聞き惚れていると曲はもう終わっていた。
jp『…聞いてなかったんですか……』
jpはむっとしたような不貞腐れない顔をしている。まるでうさぎだ。
tt『ッちゃう!ちゃう!聞いてた!』
tt『つい…ッ聞き惚れて…///』
jp『………ならいいや(笑)』
歯を見せた子供のような笑み。表情がころころ変わって面白い。
jp『…俺、バーの仕事終わったらいつもここでサックス吹いてんだ』
jp『お店ではあんまり話せないけど…』
jp『…ttとは沢山お話したいな』
tt『…店でも話してくれていいのに…///』
jp『駄目、俺嫉妬しちゃうから』
tt『へ??///』
へ?????
jp『…二人で話そ』
jp『………ね?(笑)』
朗らかで無邪気で色っぽい彼は、その時だけはまるで困ったような笑みを見せた。
続く…
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コメント
4件
両思いだろこりゃ😚
もう神です!本当にありがとうございます!安眠できそうです
なにこれ凄い好きです😭