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「私と麗華のことまで心配してくれてありがとうございます。近々、会いたいと思います」
「それがいい。焦らず……ゆっくり」
慶都さんに背中を押してもらえて、はっきりと麗華に会う決心ができた。
不安はあるけど、兄弟、姉妹の再会が、実りあるものになるように願いたい。
「はい、ありがとうございます。私も、いつか蓮さんと奥さんに会ってみたいです」
「ああ、必ず紹介する。君みたいな素敵な女性と結婚したと言えばヤキモチ妬くかもな」
「まさか。逆に蓮さんにバカにされるかも知れませんよ」
「自分の美しさを過小評価し過ぎるのが彩葉の悪いクセだ。そんなに可愛くて、色っぽいのに……」
慶都さんの手が私の頬にそっと触れる。
そして、もう一方の手に持っていたワイングラスをテーブルに置いて、その手で私をグイッと引き寄せた。
「まっ、待って下さい」
「嫌だ、待たない」
その瞬間、体が急激に熱をもった。
慶都さんの柔らかな唇が、耳元を這ったからだ。
私の性欲をかき立てるようにゆっくり、ゆっくりと……
「彩葉と、したい」
慶都さんから発せられたその艶のある低い声は、体中に刺激を与え、私は一瞬で魅了された。
この体、この心までもが、あなたから離れられなくなって……
蜘蛛の巣に捕らえられた蝶のように、私は動きを止められた。
「このなまめかしい体に欲情しない男はいない。でも、絶対に誰にも触れさせない」
そう言って私のことを煽る。
慶都さんは意地悪だ。
ここに住むようになって、忙しくて疲れてるはずなのに、いつだってこうして私を求めてくれる。
少しでも早く眠って、体を休めてもらいたいけど…
そんなことはお構い無しに、自分の時間を削ってまで私を抱いてくれるんだ。
それはまるで、すれ違っていたあまりにも長い時間を必死に埋めているように思えた。
慶都さんの細くて長くて美しい指……
そのなんともいえないセクシーな指が、私の洋服へと伸び、右手でゆっくりとブラウスの胸のボタンを外していった。
1番上……
2番目……
3番目……
外しているその時間もムダにせず、慶都さんは私に濃厚なキスをする。
唇と唇を合わせるだけの行為が、こんなにも気持ち良いなんて……
それは、今までのキスとは全く次元の違うものだった。
口の中に勢いよく滑り込んでくる舌の感触。
口内で上下左右と動き回っている舌先に、思わずとろけそうになる。
4番目のボタンが外れたと同時に、惜しむように私の唇から一旦離れ……
そこから、慶都さんの湿り気を帯びた唇は、首すじ、胸元へとゆっくり移動した。
日に焼けていない私の肌を、優しく、そして、いやらしく這い続け、やがて……5番目、最後のボタンも外された。
ブラウスが肩から滑り落ちた瞬間、大胆に肌が露出する。
「この白い肌、とても綺麗だ」
レースの淡いパープルのブラから覗く胸の谷間。
慶都さんはそこに優しいキスを落とした。
その行動から一変して、今度はブラを少しだけ荒々しく剥ぎ取る。
「どうしたんですか? 慶都さん、そんなに慌てないで……」
「その可愛い声、もっと聞かせて。何度でも気持ち良くしてやるから」
「う、嬉しい……です」
そんな会話をしている間も、慶都さんの責めに悶え続けた。
「彩葉……好きだ」
「私も、慶都……さん。はあっ、ダ、ダメ…そうっ! あっ、ああっ……」
そう、誰もこの興奮は味わえない。
世界でただ1人、私だけが知り得るこの腰が砕けそうになる快感。
「一緒に」
「は、はい。私……も、もう……ダメっ!」
意識を失いそうになるくらいの絶頂を迎えた2人は、そのまま体を合わせ、ほんの少しの間、動けずにいた。
「すごく良かった。こんなに綺麗な彩葉を誰にも渡さない。絶対に離さない」
甘やかな言葉に酔いしれ、私の想いはますます強くなっていく。
ずっと片思いだと思ってた慶都さん。
今はこんなにも深く心を通わせていられる。
それが……嬉しくてたまらないんだ。
そして、私達は、ひとつになれた喜びに浸りながら、当たり前のように最後にもう一度だけ極上のキスを交わした。
この体も心も、全て慶都さんのもの。
お願い、私をあなたで支配して……
だって、もう私、慶都さん無しでは生きていけないから。
どうか……
あなたといられる時間が永遠であるように、私は心の底からそう強く願った。