コメント
2件
大好きです、あの8人の歌みた大好きなんでほんと最高です、ありがとうございます
ほんっとに天才だと思う
どうしようもないくらい荒廃したこの”地球”で、八人は何を思うのか。その感情を、どうやって抑えればいいのか、彼らは知らない。
『高鳴る気持ちが抑えられない』
「ダメか」
「ぽんちゃん」
「まーた私の生まれ星との連絡が失敗しちゃった、次こそはいけると思ったのに」
望遠鏡の隣に座っているぽんちゃんがいた。
「ぽんちゃんの星ってずっとぐるぐる回ってるけど、なんかあんのかな」
「わかんなんよぉ、勝手に乗らされてここに来たんやもん。まぁみんなに会えたからいいけどさ」
「でもだからって、落ち込んだらダメだから!踊って忘れちゃお!」
明るく、生きろ。そうとだけ言われてカブラキも勝手にここに着いた。だから、ぽんちゃんも笑顔でいてほしい。そんな些細な思い。
「ろこのダンスのステップ、綺麗で面白くて大好き」
「見て、あれ明星じゃない!?」
「あれ、よっちゃんの生まれ星?」
よっちゃんが屋上の秘密クラブ!って自慢げに話していたのを思い出して、ついここに来てしまう。
「ウミセさ、いつの間にかここにいてさぁ、好きだったんだけどさ、よくわからないままここに来たんだよね!詳しいことは知らないんだよなぁ、、」
私は全てを知っている。でも言わなかった。あの笑顔を壊せなくて。夜中に騒いで近所迷惑って怒られた時も君は笑顔だった。
「いつか帰れること、祈ってますよ」
「ウミセの生まれ星、早くみんなに見せたいよ」
「何これ」
「これさ、サイダーっていうらしい」
カナトの隣にあったのは変な形をした瓶だった。そこにはデカデカと”サイダー”と書かれたラベルがあった。
「サイダー?地球人は変なの好きだよね、カナトもだけど」
「僕はね、地球人の作ったものが好きなんだよ」
なんだろうこれ、口の中で弾ける感じ。好き嫌いが分かれそうな飲み物だなぁと思いながらも味は嫌いではなかった。
「セラ好きな味だと思うよ」
あなたの言葉は全て甘くて、蜜の味がする。大胆不敵な君の行動は、俺の心を掴んで離さない。
「まぁ嫌いな味ではないな」
「まーたりんご」
ワタライさんの隣にあったのは大量のりんご。少し呆れた、ずっとりんご。
「りんごみて馬鹿らしいとかいうなよ!また踊る?前みたいに」
「何度かりんご落ちたよね、もうやめてほしいんだけどさ。懐かし」
「あ、りんご落ちた。りんごってなんで落ちるん?」
りんごなんてどうでもいいんだよ、本当は。意味もないまま、何かをすることは嫌いだ。
「ワタライさんって真理とか、そういうの考えるのかな」
「俺はさ、バカなんだよ。なんもわかんないよ。でも、君に逢いたいだけは真理だと思うんだ!!」
ムユたちは不確かに交わる生命体。非言語の宇宙論理で語り合っても真理は確かめられない。
「今は、わたしを見てね」
〜〜
彼らが出会ったのは本当に偶然だった。
生まれ星から追い出されたものもいれば、何も知らせられない辿り着いたもの、明確な目的を持ってきたもの、いつの間にか着いていたもの。
そんな八人は”地球”という星で出会った。その星はもう、滅びていた。少しだけ残った文明の力と生まれ星からの知識と文明を駆使し生き延びていた。
たった八人だけの星では、”恋”という感情が芽生えつつあった。時には異性に、時には同性に。その恋の感情の矛先が向いていた。それに疑問を抱くものはいなかった。八人が生まれ育った星には”恋愛”という観点がなく、あるのはただ子孫を残すための関係性だけ。
子孫を残すことを最優先に考え、その子孫たちは多くの大人たちによって優秀な大人へと育て上げられる。八人が生まれ育った環境はそんなところだった。似たようなものたちが集まったところ。
しかし、”地球”という星に来てから彼らは変わった。
自分と全く違うものに出会い、それに惹かれていく。その感情に名前があるのかすらもわからないまま、彼らは過ごしていった。
そして、八人が訪れたことにより、日々変化を告げる”地球”。雨が降りやまない日が続き、止まっていた道具たちは謎に動き出すなど、きっと八人が持ち寄った星々の文明を取り込み”地球”は新たなる星へと変化を試みたのだろう。
「俺、地球を旅してくる」
八人が集っていた中、ヒバリは口を開いた。
「ぇ、なんでいきなり?確かに”地球”は変化を遂げているけど今すぐに現状を理解するほどじゃないんじゃ、、」
「変化を遂げた後じゃ、もうみんなに会えない可能性は高いだろ。もちろん、アマガセに会えなくなるの悲しいけど、皆んなのために俺行くよ」
ムユの言葉を全て否定して、ヒバリは自分の意見を通そうとした。
「なら、僕も行くよ」
「カナトも?」
カナトが行くことに抵抗を示すセラフ。
「ヒバリが一人で帰ってこれるとは思わないからね」
その言葉に誰もが賛同しただろう。ヒバリは七人の中でも不思議であり思考が理解できない生命体だ。すでにここまでの生活でも何度か問題を起こしたことがあるのは事実。
「ねぇ、ワイも行きたいんやけど」
そう口を開いたのは、ネイ。ネイは基本的に話し合いには参加しないタイプの生命体であるがため、口を開くことは滅多にない。
「なんで?不確かなところに行くからそれなりの危険だってたくさんあるのに、、」
「生まれ星との連絡がまだ着いてない。ここだからダメなのかもしれないから。私もいく」
ネイはこの中で一番生まれ星に還りたいと願っているもの。何も知らないまま操縦機に乗せられ、何も知らないまま”地球”に着いたもの。だからこそ、故郷に戻りたいと願っている。
その理由を出されてしまっては、カブラキはそのネイの行動を否定できなかった。
「ねぇ、ウミセも行きたい!!」
「は!?よっちゃん。行くのは危険なところですよ?そのまま、死ぬ可能性だって、、ないわけじゃないんですよ」
八人はこの”地球”に辿り着いてから、この場所を離れたことがない。それはこの場所がたまたま安全だっただけで他の場所が安全でない可能性が高いから。幸いこの場所は物資も大量にあるし、土地にも恵まれていたためこの場所で生活していたのだ。
「でも、他の場所だったらウミセの生まれ星の手がかりが見つかるかもしれないんだよ!」
その笑顔を壊してでも、アキラはウミセと共にいたいとは思えなかった。
「必ず戻ってくる。絶対にここに、みんなの元に戻ってくる。だから、信じて待っててくれないか」
「待って、俺らも行っちゃダメなの?ここで別れるよりも、集団行動した方が、、」
「この場所に誰かの生まれ星から何か来る可能性だってあるでしょ、セラ。ここが一番安全なら他の星もここに何か連絡をよこしたりするはずだ」
だから、待っててほしい。そんな言葉を聞いてしまっては、何も言い出すことができないまま、話し合いは幕を閉じた。
この胸に溜まった君宛の想いをどこにしまっておけばいいのかという思いがありつつも、送り出すと決めた4人。
帰ってきたら、この想いを全て真実として伝えよう、だからこそ絶対帰ってくると自らの胸に誓った4人。
同じ”地球”にいるはずなのに、遠くの宇宙に彼らがいるように思えてくる。それでも、彼らを想う気持ちが常に胸に潜んでいた。
「遠くの宇宙で恋をしたんだ」
「彼方の宇宙であなたに恋してる」
「きっと今なら軽率に恋すらはじまりそう」
「それから僕らは恋に落ちて」
「難攻不落のシナリオが心を掴んで離さない」
「わたしのあなたの鼓動が鼓動がドキドキって疾る」
「もっと、私を愛してね」
「君に逢いたいだけが真理だ」
何百年後先でもいいから、この想いが実ることだけを信じて、彼らは進んでいる。
〜〜
「ダメか」
「ぽんちゃん」
「まーた私の生まれ星との連絡が失敗しちゃった、次こそはいけると思ったのに」
望遠鏡の隣に座っているぽんちゃんがいた。
「ぽんちゃんの星ってずっとぐるぐる回ってるけど、なんかあんのかな」
「わかんなんよぉ、勝手に乗らされてここに来たんやもん。まぁみんなに会えたからいいけどさ」
「でもだからって、落ち込んだらダメだから!踊って忘れちゃお!」
明るく、生きろ。そうとだけ言われてカブラキも勝手にここに着いた。だから、ぽんちゃんも笑顔でいてほしい。そんな些細な思い。
「ろこのダンスのステップ、綺麗で面白くて大好き」
「見て、あれ明星じゃない!?」
「あれ、よっちゃんの生まれ星?」
よっちゃんが屋上の秘密クラブ!って自慢げに話していたのを思い出して、ついここに来てしまう。
「ウミセさ、いつの間にかここにいてさぁ、好きだったんだけどさ、よくわからないままここに来たんだよね!詳しいことは知らないんだよなぁ、、」
私は全てを知っている。でも言わなかった。あの笑顔を壊せなくて。夜中に騒いで近所迷惑って怒られた時も君は笑顔だった。
「いつか帰れること、祈ってますよ」
「ウミセの生まれ星、早くみんなに見せたいよ」
「何これ」
「これさ、サイダーっていうらしい」
カナトの隣にあったのは変な形をした瓶だった。そこにはデカデカと”サイダー”と書かれたラベルがあった。
「サイダー?地球人は変なの好きだよね、カナトもだけど」
「僕はね、地球人の作ったものが好きなんだよ」
なんだろうこれ、口の中で弾ける感じ。好き嫌いが分かれそうな飲み物だなぁと思いながらも味は嫌いではなかった。
「セラ好きな味だと思うよ」
あなたの言葉は全て甘くて、蜜の味がする。大胆不敵な君の行動は、俺の心を掴んで離さない。
「まぁ嫌いな味ではないな」
「まーたりんご」
ワタライさんの隣にあったのは大量のりんご。少し呆れた、ずっとりんご。
「りんごみて馬鹿らしいとかいうなよ!また踊る?前みたいに」
「何度かりんご落ちたよね、もうやめてほしいんだけどさ。懐かし」
「あ、りんご落ちた。りんごってなんで落ちるん?」
りんごなんてどうでもいいんだよ、本当は。意味もないまま、何かをすることは嫌いだ。
「ワタライさんって真理とか、そういうの考えるのかな」
「俺はさ、バカなんだよ。なんもわかんないよ。でも、君に逢いたいだけは真理だと思うんだ!!」
ムユたちは不確かに交わる生命体。非言語の宇宙論理で語り合っても真理は確かめられない。
「今は、わたしを見てね」
「ロコ」
「ねぇねぇ、ダンス踊ろうよ、ステップ踏んでさ」
「まーた私の生まれ星との連絡が失敗しちゃったんよ、次こそはいけると思ったのに」
望遠鏡の隣に座っているロコがいた。
「ぽんちゃんの星ってずっとぐるぐる回ってるから、それ再現しておどろ!」
「私、自分の星の手がかりがね、なんもないの。勝手に乗らされてここに来たんやもん。まぁみんなに会えたからいいけどさ」
「でもだからって、落ち込んだらダメだから!踊って忘れるんだよ!」
明るく、生きろ。そうとだけ言われてカブラキも勝手にここに着いた。だから、ぽんちゃんも笑顔でいてほしい。そんな些細な思い。
「ろこのダンスのステップ、教えてもらって良かったよ。これでロコのこと思い出せる」
「ねぇ、シキナギ」
「あれ、よっちゃんの生まれ星じゃない?」
ウミセが屋上の秘密クラブ!って自慢げに話していたのを思い出して、毎回高いところに足を運ぶのが日課みたいになってる。
「ウミセさ、いつの間にかここにいてさぁ、好きだったんだけどさ、よくわからないままここに来たんだよね!だから何にも知らないの」
きっと、シキナギは賢いから全て知ってるんだろうなぁと思いながらも教えてくれないのを優しさってウミセは思ってる。
「いつか生まれ星のこと、教えてくださいよ」
「ウミセの生まれ星、早くみんなに見せたいよ」
「これ、サイダーって言うんだよ」
「カナトサイダー好きだよね」
毎回僕がサイダーを持ってるから、セラの隣によくサイダーを置く。そこにはデカデカと”サイダー”と書かれたラベルがあった。
「地球人の作ったもの、だっけ」
「僕はね、地球人の作ったものが好きなんだよ」
口の中で弾ける感じ。好き嫌いが分かれそうな飲み物だなぁと思いながらも全てを飲み干した。
「セラが嫌いじゃない味」
この旅がどこで終わるか知っていても、わからないふりをして歩くんだ。それがこの想いを抑える秘訣。
「やっぱり、嫌いな味じゃない」
「猫好きだよな、アマガセ」
「ムユね、りんごよりも猫が好き」
アマガセの隣にはよく猫がいる。そして、ついでにりんごも。
「りんごみて馬鹿らしいとかいうなよ!俺は猫よりりんごが好きだから」
「何度かりんご落ちたよね、懐かし」
「あ、りんご落ちた。りんごってなんで落ちるんやろな」
りんごなんてどうでもいいんだよ、本当は。それよりも好きなものがあるから。
「ワタライさんって真理とか、そういうの考えるのかな、わからないや」
「俺はさ、バカなんだよ。なんもわかんないよ。でも、君に逢いたいだけは真理だと思う」
俺は真理を確かめるために、この旅に出たと言っても過言ではない。
「いつまでも待ってるから、次は私を見てね」
もう、想い人は隣にいないってわかっていながらも八人は隣にいるように振る舞う。
自らその選択を取ったはずなのに、その選択を見守るって決めたはずなのに、なぜか彼らの顔がずっと離れない。
ずっと、ずっと繰り返す。隣には、いつしか撮った写真が飾られてあった。