テラーノベル
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その頃・教会から少し離れた岩陰。そこにクルミとアクセルが隠れていた。ドミンゲスは既に倒されていたが、その事をまだ2人とも知らない。
クルミ「…私のせいだ……誰も守れない…」
アクセル「レオンはきっと…その事で責めたりしない。…ちょっとだけわかる。」
クルミ「……でも…腕が……。…腕は…もう戻ってこないの…」
クルミは岩陰で自分の手首を掻きむしった。
私を庇ったから。レオンの腕が千切れた。
死んでしまったかもしれない。
私が殺したようなもの。
空が少し曇って、薄灰色の雲に覆われていく。
レオンは左腕の切断面を適当な布で縛り、止血を済ませた。生きて 仲間たちの元へ生きて戻るためだ。
レオン「ただいま。」
レオンの声は穏やかだった。誰を責めるわけでもない。静かで穏やかな優しい声。
クルミ「……」
レオンの左肩あたり。切断されて無くなってしまった腕を確かめるように手を近づける。そのギザギザして不規則な切断面からはわずかに血が滴っている。
クルミ「…おかえり。」
声が震える。
レオン「……ごめん。…守りきれなかった…」
レオンはクルミを責めたわけではなかった。
その時。クルミはレオンを優しく抱きしめた。もう怪我をしてほしくなかった。これ以上酷い目に合わせたくなかった。彼女はずっと『自分のせいだ』と自責していた。だからこそ、真っ先に守る行動をとった。
レオン「…クルミ…?」
クルミ「……」
彼女は何も言わない。
ただ抱きしめているだけ。
レオン「…そっか。…2人とも、疲れた…よね。…ごめん…俺もちょっと寝る…」
レオンが眠そうに目を細め、少しふらつき始める。 明らかに失血が原因だ。
アクセル「おおおい!腕の血、ぜんぜん止まってないぞ!とりあえず手当て…」
薄れていく意識の中、アクセルが必死に左腕の切断面を消毒している。少しだけアルコールがしみる。でも、それも感じなくなっていく。
眠い。
眠りに落ちていく。
コメント
1件
ああ、もう……胸がぎゅっとなりました。クルミが「自分のせいだ」って腕を掻きむしるシーン、読んでるこっちまで息が詰まりました。それなのにレオンが「ごめん…守りきれなかった」って謝るんですよ。自分が腕を失ったのに、誰も責めない優しさ……切なすぎる。最後にクルミが彼を抱きしめたのは、たぶん初めての「誰かを守る」行動だったんだろうなって思いました。