「神獣がCランク級洞窟にでて、しかもそれをBランクパーティとGランク冒険者で倒した⁉︎」カウンターにいた女性は驚いて言いました。
「本当です、証拠ならあります」そういってアウレリオは神獣から手に入れた素材を見せました。カウンターの女性が急いで鑑定士に鑑定暇もらいました。どんなに鑑定しても本物の神獣から取れた素材でした。そのことを知った途端女性は慌ててカウンターの奥へと行きました。現状を見た他の冒険者たちはざわついていました。ユミトはこの状況を見て神獣を倒した時にアウレリオが発した言葉をなんとなく察しました。「・・・ゲラルドさん、もしかして私、やらかしちゃいました?」ユミトは恐る恐る聞くとゲラルドが返しました。「やらかしたでしょうね、なにせ神獣は弱くてもSランクですからね」「うっ・・・」ユミトは苦虫を噛み潰したような顔をしました。「そんなSランクの敵を駆け出し冒険者たちが倒したら騒ぎになるのは当然でしょう」ゲラルドは笑って言いました笑うところじゃない!っと反論しようとしたところで女性が戻ってきて「皆様、ギルドマスターがお呼びです、奥へどうぞ」その一言で反論の余裕がなくなり一気に緊張していまいました。
奥へと行き、しばらくした後、一つの扉の前につきました。女性はノックをして「ギルドマスター、お連れいたしました」そう声をかけた後、入れっという男性の声が聞こえました。その声が聞こえた後に女性は扉を開けました。中に入るとガタイの良い男性がいました。「君たちが神獣を倒した奴らか」「はい、間違いありません」アウレリオがしっかりした声で言いました。「そうか、お前たちが」ギルドマスターが顎に手を当てて品定めするかのようにこちらを見て来ました。ユミトはこれからどんなことを言われるんだろうと不安でした。なにせ自分よりランクの高い敵を倒してしまったからです。そのことでどんなリアクションをされるか全く想像できなかったからでした、緊張で今にも倒れそうなユミトはアウレリオを見ました。それに気がついたアウレリオは心配ないと笑いました。ユミトはそれを信じてギルドマスターに向き直りました。「お前たちがそれだけの実力があるのならギルドマスターの権限でランクを上げてやろう」ギルドマスターの発言にユミトは驚き、アウレリオたちは喜んでいました。冒険者のランクが上がれば上がるほど依頼などのできることが広がる、ということはユミトの世界旅がスムーズに行くってことに繋がる。そのことにユミトはとても嬉しかった。「そいじゃあ、BランクをSランクに、GランクをAランクに上げてやろう」その言葉にユミトは思わずえっ、と声を漏らしてしまった。「よかったなユミト!たったの一日でランクアップでしかもAに!」「まさか入って一日でAランクはここの冒険者ギルドではお前が初めてだ、素晴らしいぞ」ギルドマスターたちはユミトに拍手を送った。それもそのはず普通は一つのランクが上がるのに最低でも二ヶ月はかかる。そのはずがなんと一日で上がってしまった、ユミトは驚きのあまり立ち尽くしてしまった。
その後もギルドマスターからランク上げの手続きを行うとか色々な話があったがほとんどの話は頭に入ってこなかった。ハッとした時にはすでに部屋に出ていた。「ユミト、大丈夫か?ずっとぼーっとしていたけど」アウレリオは心配そうにユミトを見ました。「うん、大丈夫、ただいきなりのAランクで驚いてただけ」ユミトは苦笑いしました。「確かに、一体倒しただけでランクが上がったからな」アウレリオは笑って言いました。
「でもすっごいかっこよかった!こうズバーンって切って、見てて気持ちよかったよ!」ジネヴラが目を輝かせて言いました。「確かに素晴らしい剣術でした、いったい誰が教えてくれたのでしょうか?」「ほんとに、それにあなたの剣、神獣の攻撃を受け止めるだけじゃなく切るだなんて、その剣どうやって作られたものなの?」ゲラルドとレミがユミトに質問しました。「剣術はソードマスターの先生から、剣も成人の日の前日に先生からプレゼントしてくれたの」ユミトは答えました。「ソードマスターのってことは結構腕が立つんだろ?」アウレリオは言いました。「うん、とても強い、どんなに練習しても先生には敵わないの」「・・・え?」アウレリオたちは驚きました。神獣を倒せる強さを持つユミトでさえ先生に敵わない、そんな先生にアウレリオたちはどれだけ強いのか気になってしょうがなかったのでした。
そんな話をしながら廊下を歩いてしばらくするとロビーに繋がる扉の前につきました。扉を開けると周りから驚きなどのたくさんの感情が混ざった視線でいっぱいでした。それもそのはず、神獣を倒したのはすでに噂になっているからでした。「うぅ・・・」ユミトは苦行に満ちた顔をしていました。なにせユミトは神獣を倒した張本人、そんなユミトに視線のほとんどが向かっていた。「しっ・・・視線が痛いね・・・」ジネヴラは身を縮めていいました。「神獣を倒したことは噂になるとは思っていたが思ったとおりだな」バルドが困ったように言いました。
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