元貴 side …
寝室に入ると、窓の隙間から入ってきた冷たい風が頬を撫でた。窓を閉めようと窓辺に向かうと、大きな満月に気がつく。青白い月明かりはとても優しくて思わず目を瞑ってしまう。どこか青白い満月はとても美しくて、今にも夜空に溶け込んで消えてしまいそうだった。
ベッドの上に倒れ込む。ギシッとベッドの軋む音と共に、フワッと柔らかい布団が体を包み込む。布団に染み付いた若井の匂いが鼻をくすぐる。そういえば、若井の匂いも変わったな。
昔はあまり濃すぎない、優しいお日様のような香りがしていた気がする。でも今はなんだか香水っぽい少しドローンとした甘ったるい匂いがする。その匂いは、嗅ぐと頭がふわっとして少し中毒性のある匂いだ。この匂いも、なんだか誰かと似ているんだよな。そんなことを思うとなんだか胸の奥がチクチクと傷んだ。
「…若井、何してるんだろ」
若井はいつも何をしているんだろう。俺の知らない誰かと会っているのかな。誰かと唇を重ねていたりするのかな。だから最近、甘ったるい匂いがするの?だから俺を酷く扱うの?考えは全て悪い方向へと直進していく。だめだ、起きていても馬鹿なことばっか考えちゃう。
俺は布団の中に潜り込み、目を瞑って深く深呼吸をする。早く寝よう、そうすればきっと楽だから。若井の事を考えるとキリがない。怖いことも好きなことも、全部考えてしまうから。布団の暖かさが心地よい。俺はいつの間にか眠りについていた。
白い空間に1人佇む。見覚えのない景色。辺りを見回してみても、白い景色が続くだけ。これは、夢?足先はなんだか冷たくて、湖に足を入れているようだった。
ゆっくりと前に進んでみても変わることの無い空間になんだか違和感を持った。走っても走っても景色は変わらない。ここ、どこだ?後ろに振り向いたその時。背筋がゾクゾクッと音を立てたのがわかった。
「…若井、?」
背の高さ、体格、髪色。あれ、若井だ。若井はゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。怖くて後ずさりしようとすると、何かにぶつかった。感覚からして人のようだった。
「ッ…ごめんなさッ…、!!!」
振り向いたその時、目の前にはさっきまで遠くにいた若井が立っていた。恐怖で体が固まる。何この夢、なんなんだ…?
「…元貴」
その時、若井と目が合った。若井は昨日のあの冷たい瞳ではなく、”あの頃”の優しい瞳をしていた。
「ッ…若井ッ、?」
名前を呼んでも若井から応答はない。ただただあの頃の優しい瞳で俺を見つめてきた。その時、ずっと黙っていた若井が呟いた。
「…元貴、どこにも行かないで」
最近いい感じのテンポで
お話が書けていて嬉しい作者です
てか皆さん!
突然なんですけど
バベル、どうでしたか…?
作者は本当に嬉しいことに
東京ドーム20日が当選しました🥹
読者の皆さんに
20日当たったよっていう方がいたら、
会えちゃいますね…!笑
コメント
15件
初コメ失礼しますm(_ _)m 私の友達が20日の東京ドーム当たってました!私年会員じゃなくて月会員なので第二次から頑張ります!!
私、東京ドームの19日あたりました!!!
ゥゥゥゥゥゥ。大阪落ちましたゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……2次がまだあるので諦めねーぞ、おらは