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「お前、記憶失くしたってマジ?」
閉じられていたカーテンが勢いよく開かれた。
見覚えのない彼は友達だったのだろうか。
彼は僕のことを覚えているのに、僕は彼を覚えていない…。
「えっと、うん。君は?」
一瞬だけ彼の顔が歪むのを僕は見逃さなかった。
「…覚えてないの腹立つから、教えてやんねぇ」
「えぇ…」
無理もないよな。
「お前…記憶無くす前のことどんくらい聞いてんの?」
なぜ彼がそんなことを聞いてくるのか分からなかった。
「えーと、僕の名前は成瀬陽で、4人家族、恋人がいて…」
その先の言葉を言おうとして一瞬ためらった。
「事故にあって、僕をかばった恋人だけが死んだ……」
布団の上に置いてあった手の甲に何か暖かいものが触れた気がした。
「え…?」
思い出せない、なのに、何故か彼が僕にとってどうゆう存在だったかわかる気がした。
「なに?、なんか思い出した?」
切なく微笑む彼の表情を見て、僕の目から涙がこぼれ落ちた。
「わかんない、わかんないけど」
「君を忘れちゃいけない気がする。」
END