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コメント
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うわあ……この回、めちゃくちゃ良かった……。花斗くんが「ママのこころがないてる」って言うシーン、マジで泣けたわ。子供って大人の心の痛みを本能的に感じ取るんだな。しかも「いたいのいたいのとんでいけ」でなかなおりの橋渡しまでしてくれるとか、花斗くん強すぎるだろう。母と壱月の間にも一歩進展があって、じんわり温かい気持ちになった。最高の家族の形を見せてもらったよ🔥
皿洗いが終わった頃、私の足元に、大窓にへばりついていたはずの花斗が寄ってきた。
「ママ、ごめんなさい」
花斗はそう言って、私の足にしがみつく。だが、顔だけはこちらを向いていた。
「ぼく、おもちゃ、なげちゃった。ママに、みせるまえ」
花斗は今にもこぼれそうな涙をこらえて、私の目をじっと見る。
「……うん、そうだったね。ごめんなさいがちゃんとできて、偉いね」
私はその馬にしゃがみ込み、花斗の頭をよしよしと撫でた。
いつの間に、こんなに気持ちを整理できるようになったのだろう。
すくすくと大きくなる、我が子の成長を感じる。
そしてそれは、私が母親になってからの期間でもある。
花斗はこんなに、心まで成長した。私はどれだけ成長できただろう。
今の私は、壱月のことを許せる?
壱月のことを、受け入れられる?
そんなことを思うと、不意に涙が込み上げてくる。だけど泣いてしまうのは不甲斐ない。
だから慌てて下唇を噛み、涙をこらえた。
「ママ……いたい?」
「え?」
花斗の瞳は、不安そうに揺れていた。
思わず花斗の顔をじっと見ていると、その瞳は、もじもじしながらも懸命に私を見続けている。
「〝いたい〟って、どういうこと?」
すると、花斗は両手をもて遊びながら、必死に答えを探そうと口にする。
「えっと……えっと……」
しばらくして、花斗は私の頭をぎゅっと押さえた。そのまま、小さな声で言う。
「ないてるの」
「え?」
「ママのこころが、ないてる。そんなおかお、してるよ」
花斗なりに、なにかを感じ取ったらしい。
「こころがないてると、むねがいたいの。せんせいが、そういってた」
花斗の言葉に、はっとした。
そうか。壱月のことを考えると胸を襲うモヤモヤは全部、痛みだったんだ。
あの日、壱月に裏切られた痛み。
ひとりで花斗を抱えて生きてきた痛み。
父親のいない花斗に対する、どうしようもない負い目。
親としてのプライドと、許せない気持ち。
子育ては胸が痛いことの連続だ。それでも必死にもがいて、生きてきた。
だから、それを知らない壱月を、私はまだ認められないんだ。
「だからね、」
花斗はそう言うと、私の胸にそっと自分の右手を当てる。
「いたいのいたいの、とんでいけ~」
その様子に、ふわんと気持ちが軽くなった。なにかがとんでいく代わりに、ほっと天使が舞い降りた感じだ。
しゃんとしなきゃ、ね。
「ありがとう、花斗。もう大丈夫だよ」
そう言って頭をポンポン撫でると、花斗は照れ笑いを浮かべる。
だから、私も。
「花斗、じっとしてね〜」
そう言って、花斗の小さな胸に手を当てる。
「いたいのいたいの、とんでけ〜」
花斗ははっと目を見開いた。
そんな花斗に、微笑みかける。
「壱月も、胸が痛いんじゃないかな。せっかく一緒にお家をつくってたのに、あんなふうに壊されちゃったら、悲しいと思うよ?」
花斗はしばらく下を向いていたが、そのうちリビングへ向かう。
立ち上がって彼の様子を見ていると、花斗は壱月の手を引いて、私の前に連れてきた。
「いつき、すわって」
「は?」
壱月は困惑の表情を浮かべたが、花斗の「いいから」の声にそこにしゃがんだ。
すると、花斗は彼の胸にも手を当てる。そして、「いたいのいたいのとんでいけ~」をすると、
「なかなおり」
花斗はそう言って、自身の右手で壱月の右手をきゅっと握った。
「ママと、いつきも」
「え?」
「別に、俺たち喧嘩なんて……」
戸惑ったが、花斗は私の右手と壱月の右手をそれぞれ取る。
「いいの! なかよしの、しるし!」
花斗はそう言うと、ふたつの手を突き合わせた。
私は戸惑いながらも、彼の手をぎゅっと握る。すると、壱月も握り返してきた。
ふと彼を見ると、壱月は曖昧な笑顔のままこちらをじっと見つめている。
彼の瞳に映った私も、同じような顔をしていた。