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ああいたいた、この時間帯、部活も宿題も終わってるからナイトコードにいなかったら大体セカイにいるんだよね〜。
そんなことを心の中で呟きながら、予想が当たったことにほくそ笑む。珍しい組み合わせもあるものだ。まふゆとリンが二人で話している。
するとまふゆは私が声をかける前に気づき、不審そうに聞いてきた。
「何にやにやしてるの?」
「はぁ? べっつに〜」
「絵名、気持ち悪いよ?」
「リン、ちくちく言葉って知ってるかな。そういう言葉は言っちゃだめなんだよ」
二人揃って呆れたような顔をする。なんか似ているんだよね。こういう私に対する扱い方が。
「まふゆ、明日大会あるって瑞希から聞いたわよ。私にも言ってよね」
「別に言う必要ないでしょ?」
「応援くらいさせなさいよ。頑張ってね」
「そんなこと言うために来たの、暇なんだね」
「…………」
人の応援をそんな扱い方するんだ。ふーん。まあ、まふゆならそういうもんだって分かってたけど。
ムカつくけど、私は用意していたものを取り出した。
「手出して」
「はい」
「これ塩分タブレット、別に涼しくなったわけじゃないからね。体調には気を付けなさいよ」
「絵名、お母さんみたい」
「絵名おかあさーん」
「ムカつく、その団結力」
どこでそんな団結力身につけたんだか。やっぱり似た者同士だけあってシンパシーを感じてるのだろうか。そう、私をいじる。いや何だそのシンパシー。
本当は清涼飲料水にしたかったけど、用意されてそうなのでやめた。妥協して塩分タブレットに。それなら渡さなくてもよかったのかな。でも、応援はしてあげたかったし。
すると、まふゆは何かを考え込む素振りを見せてから、私を見つめた。
「な、なによ……」
「……絵名って、学校生活に憧れでもあるの?」
「はぁ!?」
「問題出し合ったり、応援したいとか」
「子供だね」
「リンに言われたくないんだけど!?」
さっきまでお母さんとか言ってたくせに。今は子供か。なんかそれを考えたら、ただでさえムカつく発言に磨きが掛かった。
「でも……絵名、ありがとう」
「まあこれくらい、ね。頑張りなさいよ」
「うん」
「……」
「……」
そうして会話のない少し気まずい空間になる。
すると、リンが私をつつく。どうしたのか。返事をすると、真顔で首を傾げて聞いてきた。
「ツンデレ……?」
「違う。」
どこにそんな要素があったのか、ただその単語を使いたいだけなのか、誰がそんな単語を教えたのか、気になることは色々あった。が、取り敢えず私は、間髪入れずその言葉を否定した。
***
その日、一件の連絡が入った。
──明日、弓道部の大会があるんだけど、一緒に行かない?
「……ふーん」