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『主文。被告人を懲役四年に処する。未決勾留日数中百日をその刑に算入する』
裁判官の淡々とした声が、静まり返った法廷に響く。
『被告人は、実行犯に対し被害者に暴行を加えるよう唆し、自死を想起するまでに至った被害者に対し、慈悲を向けるどころか、死を肯定し、あえて自決を促すかのような|嘲弄《ちょうろう》を浴びせたことは、被害者の生命の尊厳を著しく冒涜するものである。
その卑劣な態様は、被害者の尊厳を深く傷つけるものであり、刑事責任は重い。
弁護側は「確定的な指示ではなかった」と主張するが、被告人の言動が実行犯の犯行を決意させた因果関係は明らかである。
よって、本法廷は被告人に対し、実刑をもってその罪を償わせるのが相当と判断した』
和香那は表情を一切変えることがなかった。
退廷を促されると肩をすくめてにっこり微笑んでいた。
傍聴席にいた多くの記者が
和香那の笑顔を、その後憶測を交えた報道に変えた。
そのことで、
和香那の知名度は飛躍的に広まっていった。
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