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「本田さん、また手紙だ」
刑務所の職員がどこかうんざりした顔で和香那に声をかけてきた。
「ありがとうございます。何通?」
にっこり微笑むその顔は、一切メイクを施していないのに艶やかだ。
「今日は28通ある」
そう答えた刑務官は思った。
(……勿体ないな、こんな美人なのに)
和香那は届けられた手紙を開く。
……クスクス
途端に小さく笑いだす。
「殆ど真っ黒じゃないの」
不適切な表現などは手紙の検閲官によって
抹消処理される。
黒いマジックでその言葉を消されるのだ。
『和香那さん、あなたの◾◾◾◾は◾◾◾で最高に◾◾◾!』
和香那は、読み終わった手紙をくしゃくしゃに握りつぶし、次の手紙を手に取っていた。
こんな手紙が毎日和香那の元へ数多く届けられた。
机の上には山のように残っている。