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あなたとわたし
不思議な夢を見た。
とある森の中で、貴方が私を連れて、深くまで引き連れていく。その森の中はとても静かで、到底人が来る訳のないような場所だ。
「ねぇ、何処行くの?」
貴方は答えてくれない。
静寂の中、私の声だけが森の奥へ響く。
手が冷たい。いつも暖かかった貴方の手は、どうしてこんなに冷たいんだろうか。
私の側で私を温めてくれたその手は今はまるで、生きていないようだった。不思議と握る手が弱くなる。力が入らないみたいだ。最初は強く握ってくれた私の手は、いつの間にか弱く、触れられているだけだ。不安に駆られる。貴方がどこかに行ってしまいそうで、居なくなってしまいそうで、いたたまれない。
そのままどんどん森の中へ進み、気付けば真っ暗なだけな空間に来ていた。
「ここはどこなの?ねぇ、」
まだ答えてくれない。サプライズにしては何より不気味だ。更に奥へ進む。空気は乾燥しているが、足元は生温かく、裸足で傷んだ私たちの足を癒してくれるのには、充分だった。
まだ、貴方の足は止まらない。気のせいだろうか、心なしか、貴方が霞んで見えて、今にも闇の中に解けて消えてしまいそうだ。
いやだ、いかないで、そばにいてよ
後ろから声が聞こえる
なんで、どうして、
どこからともなく、私の頭に響き渡る、気持ちの悪い声
耳に響く叫び声と、笑い声。
霞む。
足音がしない。
手にも触れられない
なんで、
いないみたい。
振り向いた
顔が見える
「����� 」
何かが弾け飛んだ音がした
手に残ったのは赤黒い液体にまみれた黄色いカサブランカだけだった
いやだなあ
ずっとそばにいてあげたのに、
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