テラーノベル
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僕は無意識に頬を撫でた。
ふわふわで、つるつる。
僕の頬とはちょっぴり違くて、なんか気持ちいい。
若井は僕のことをどう思っているだろう。
ただの友達?
それとも、あんまり好きじゃなかったり。
…それはちょっと悲しいけど
……僕と同じ気持ちになったことはあるのかな
我に返った。
目の前には寝そべってTシャツを脱がされ、お腹が露出した若井がいた。
…あ、僕がやったのか
罪悪感はもちろんあった
若井どう思ってくれていても、今日の勉強会を持ちかけたのも僕。
こんなことをするために呼んだと思われては少し語弊があるけど、
今となってはあながち間違っては無いのかもしれない。
もっと、もっと…
若井をこの手でぐちゃぐちゃにしたい
心の中の悪魔が囁き続ける。
僕の中に天使はいなかった。
我を忘れて、少しずつ、慎重に着衣しているものたちを脱がせた。
指輪は…まあいっか。
肌着を脱がせた。
薄ピンク色の乳首に、少しこけたあばら骨のあたり。縦に割れたおへそ。
目の前の目眩がするような光景に、僕は直感した。
ダメだ、このままじゃ本当にダメなやつ…
僕を止めてくれる人がこの場に居てくれたらこんなことには絶対になっていないだろう。
知らず知らずのうちに乱雑な手つきになってしまっていたのかもしれない。
そのせいか、下半身に差し掛かった瞬間。
若井が目を覚ました。
最悪だと思った。
最悪だと思われたくなかった。
それでも、不思議な背徳感が僕を邪魔する。
何も言えず見つめていた僕に、寝ぼけ眼の彼は話しかける。
「…りょーちゃんー……?どうしたの…?」
いつも通りの若井の声。
どうしよう。やっぱり今すぐ手を引いて土下座でもするべきだろうか。
いや、そうしたところで関係性が崩れることに変わりは無い。一体どうしたら、
「…涼ちゃんも……やっぱりそういうこと気になるんだね」
「…どういう意味、」と問おうとしたが、若井は続けて話す。
「俺も…気になってたけど、はじめて。」
2人の首元に汗が伝う。
「いいよ。」
僕の中の何かが途切れた。
僕は高揚していた。
きっとそれは、
若井に距離を置かれなかったという安堵でもなく、快楽を求めることが出来るという興奮でもなく、
若井に僕を理解してもらって
その上で僕を受け止めてくれたという事実からだろう。
でも、こんなことは後付けに過ぎない。
実際はそんなこと考えてる余裕もなかった。
とにかく若井がぐちゃぐちゃになる所をみたい、僕がこの手でそうしたい、
その一心だった。
「若井、ちゅー、してもいい、?」
優しく微笑んだその顔に、そっと唇を寄せる。
僕はなんて幸せものなんだろう。
これからのことなんてこれっぽっちも知らない。
今この瞬間、腕の中に若井がいる。
2人の体液が畳の上で雫となって落ちる。
これが汗なのか、はたまた別の液体なのかは誰にも分からない。
強いて言うなら、テーブルの上から見守る麦茶くらいだろうか。
ダメだとわかっていても
僕はこの日のこの出来事を、全て、
夏の暑さのせいにした。
コメント
1件
ハァーーーーーー若井お前は罪な男だヨォッッッ!?!?!?