──────???視点──────
みんな、みんな。希望に満ちたような表情で、彼の復活を願う。代償1万程度で人一人が生き返る。つまり、1万人ものの死を正当化されてしまう。しかし、それはおかしなことでは無いだろうか?
まあ、こんなことが言いたいんじゃないけれども。話を変えよう。例え、魂を1万ほど集めてもうぱさん──────ウパパロンが生き返るとは限らない。というか生き返らない。だって、そう運命が決まっている。そして、その運命を歪めることは出来ない。だって、今まで色んなことを試した。運命を変える方法を。けど、全て無駄だった。そんなことは1番理解してるし、既に諦めてしまった。
未来を知ってても歪めることなんてできない。それはよーく理解している、と思っている。だって、最終的には──────なんて結末も知っている。ハッピーエンドなんてない。報われない。これがある意味、私に対する罰なのかもしれない。私という罪人の贖罪なのだろうか…。もう、疲れてしまったのに。
ただ、もしかしたら。今回は。と、希望を求めてしまう。私の悪い癖。でも、自分からは動こうとしない小心者。私が信じるのはただ1人。全ては、彼のために。こんな風にねじ曲がったのは彼のせいだろう。と、思ってもみないことを思う。そんな訳ないのに。
ここから、私──────れいまりが疑われる場面へと移る。唯一この先の出来事を知っていて、全員の思考を読むことが出来る私に対する鋭い言葉のナイフ。人外ハンターの思うつぼ。なんて単純なのだろうか。私は、いつまで馬鹿な振りをすればいいのだろうか…。
「…私、ウパさんを生き返らせるの、正直反対よ。」
そんな衝撃的な言葉が彼女──────菓子さんから飛び出す。私にとって衝撃も何も無いが、他の人は驚きの表情をうかべる。ただ、心では激しい怒りや本当に驚いてるもの。ただ、複数の人が、気でも狂ったか、などの酷い内容だ。私はそんなことを聞いて、当たり前か、なんて思う。だって、みんなにとってウパさんは大切な仲間なのだから。天秤に乗せた時どっちに傾くかは決まってはいるが傾いていなくともウパさんの方に我々は傾ける。そんなことは決まっている。それほどまでに狂っているのだ。
ただ、こんなにもまともな感性をした人がいるとは…と、少し驚く。心を見ても、嘘をついている訳ではなく、自らの正義に従っているようだ。自立していると言えるが、裏返せば仲間に対する感情が薄いようにも感じる。
…心を見た感じ彼女にとっても苦渋の選択出会ったことは誰よりもわかる。
「…ねぇ、菓子。それは、私たちに対する侮辱なの?」
感情の無い目で実の妹を見つめるのは茶子さんだった。目に色はなく、まるで敵に対して向けているかのような視線に、菓子さんはたじろぐ。
どちらの気持ちも痛いほどわかる。茶子さんは仲間思いで、どんなに間違ったことでも仲間の為ならば躊躇わない。茶子さんが人を殺す理由はこれが一番の理由であり、自身の信条でもあるのだろう。
菓子さんは常に、正しくあり続けようとする。人を殺しても、それは、その人が悪いから。罪人には罪を与える。無差別に殺すなんて、以ての外だ。しかし、彼女の正義は時に揺れる。彼女の正義は所詮主観でしかないのだ。
なんて、2人の状況を事細かに私の心で整理する。もっとも、このことは黙っておく。
何故ならば、この方が面白いからだ。お互いが、お互いのことが大切なのに、今はどうだろう?己らの意見をぶつけ合う。このまま行けば、姉妹仲は最悪になるのだ。先刻まで最高だった姉妹仲が、一瞬で塵とかす。それが堪らなく面白いのだ。
(れいまりさん。本当のことを言ってあげてください。)
──────こうやって、私が心を読んでる前提で頼み事をしてくる人がいる。それは、この世で最も尊敬し、私のいちばん信頼を勝ち取り、私の考えを唯一曲げることが出来る人だ。
そう、ガンマスさんだ。彼にだけは頭が上がらない。今回はガンマスさんに免じて姉妹仲を取り持つことにしよう。
頭がよく思わせては行けない。あくまでバカっぽく。
「2人ともお互いのこと好きなのに喧嘩なんかしていいんですかー?」
「え?」「…」
先程まではガンマスさんの心を読んでいて聞いていなかったが、言い合っていたようだ。私の言葉を聞き2人とも動きを止める。そりゃそうだ。突然爆弾を投下してきたのだ。しかも、唯一全て(心を読め、みんなが何を思っているか)を知る私が。
「2人とも考え方が違うだけで、お互いが心配なだけじゃないですかw茶子さんは菓子さんの友達であり、仲間であるウパさんを助けたい。菓子さんは茶子さんが禁忌である生き返らせることに触れさせたくない。
いやー見てて面白いですねw。正当なことを言ってる風にお互いを想いあってるってw」
あくまでもおふざけ程度に、私が真剣さを出すのは面白くないし、今まで積み上げてきたバカっぽいキャラが崩れ落ちるのだ。あくまで私、何かやっちゃいましたか?みたいな雰囲気が大切だ。
「…そうだったのね…。早とちりだったわ」
「こっちこそ…薄情者って呼んでごめん…」
2人ともお互いの真意がわかったらしく、お互いに向き合い、謝罪し、仲が戻る。なんだかんだお人好しで、姉妹愛が素晴らしいのだ。見ていてつまらない。もうちょっと喧嘩を引き伸ばしたかったが、そういう訳にもいかない。ガンマスさんのおねがいだったし…。
「…り。レイマリ!」
突然私を呼ぶ声がして、そちらを見る。そこにはラテさんが顔を真っ赤にしてこちらを睨みつけていた。何?惚れた?なんて冗談を言おうとしたが、次の言葉でそんな状況では無いことを悟る。
「お前…!!心が読めるならメテヲが偽物ってこと知ってたんじゃないのか…!?」
…どうやら、予想していたよりも早く、この展開になってしまったようだ。
ここで切ります!レイマリさん視点で今回は書きました!心が読める、と言っても全員分を聞き取るのは難しそうですよね…。聞いてる訳では無いですけど。レイマリさんいわく、見えるらしいです。どんなふうに見えてるのかれいまりさんにしか分からないですけど…。本能で感じてるのか、それとも文字が浮かび上がってるのか、自身の脳内に語りかける感じなのか…。それは私にも分からないですね。まあ、れいまりさんはこの物語のスパイスとして書かせてもらいます。…お気づきの方がいるかもしれませんが、最初と最後らへんのれいまりさん、大分違いますよね?性格などが…。考察ポイントに入れて置いてください。
今回はさらりと2000文字から400文字ほど多くなってます。少し多めですね!早めに書いてたので…後、無理やりにでも最後のを書きたかったのでwまあ、気づかない人もいそうですけど…。
それでは!おつはる!
コメント
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おわぁお投稿はやくないすか
ラテさん先に聞くのそっちなんだ…ひなさんが裏切るの分かってたんじゃないか、とか先に聞くものだと思ったけど