透や神風がそれぞれの戦いに身を投じている中、朱音はひとりでふと大阪を訪れることにした。激しい戦いの連続で疲れがたまっていた彼女にとって、久しぶりに訪れる平穏な時間だった。
「たまには戦いから離れてリラックスしないと、体も持たないわよね」
朱音は笑いながら、自分に言い聞かせた。彼女が訪れたのは、食文化とエネルギッシュな街、大阪。これから何をしようか、ワクワクしながら観光の計画を立てていた。
まずは大阪名物のたこ焼き!大阪の街並みを歩きながら、朱音は美味しい匂いに引き寄せられ、いくつかの店をはしごする。
「これ、すっごく美味しい!熱々でトロトロじゃない!」
彼女は目を輝かせながら、たこ焼きを次々と頬張る。どの店も独自の味を持っており、それぞれに違った楽しみがあった。
「戦いばっかりしてたら、こんな楽しみを忘れてしまうところだったわ」
朱音は笑みを浮かべ、ふと周囲を見渡す。大阪の活気に溢れた街並みが、彼女の心を少し癒していた。
道頓堀川沿いを歩いていると、賑やかな観光客の声と共に、川に浮かぶネオン看板が目に入る。そこで、偶然知り合った地元の人が声をかけてきた。
「お姉ちゃん、観光かい?もし良かったら、案内してあげるよ!」
地元の案内人に誘われ、朱音は軽く頷く。
「ありがとう!でも私、ちょっと自由にぶらつきたい気分だから、もう少し自分で歩いてみるわ」
彼女は笑顔で断り、再び街中を歩き出す。
観光を満喫した後、朱音は夕暮れの大阪城を見に行くことにした。歴史ある城の姿が夕日に照らされ、まるで昔の戦国時代にタイムスリップしたかのような感覚に襲われる。
「なんか、この場所…戦いを思い出しちゃうわね」
朱音は城を見つめながら、仲間との戦いの日々を思い返す。
「でも、今は少しだけ、この時間を楽しませてもらおう」
彼女は深呼吸し、穏やかな気持ちで夕日を見つめた。
朱音の大阪旅行は、彼女にとって短い休息の時間だった。次の戦いに備えて、彼女はリフレッシュすることができた。だが、心のどこかでは、再び激しい戦いが待っていることを感じていた。
「さあ、そろそろ戻らないとね…」
朱音は微笑み、東京へ戻る決意を固める。