「黒い………信煙弾……」
流れてきたのは左から
「…!?」
「なんで隣から来てるんですか!?」
「左翼側は何してるの!」
『…これはまずいかもねぇ』
こんな内側まで奇行種を入れてしまうと
陣形が乱れかねない
特に中央に近い位置は
細心の注意を払わないと
全て崩れてしまう
「応援に行かなくちゃ…」
『ナツキ、落ち着いて』
ナツキは多くの功績を収めてるといえ
まだ経験は浅い方で
こういう緊急事態には
上手く対応できない
「けど…隣で…奇行種がいるんですよ!」
「左翼側も機能してないし…!!」
『私達が無理に行っても
余計に陣形が乱れかねない』
『隣からの伝達を待つんだ』
「…了解…」
確かにナツキに行かせれば
奇行種など容易く倒し
犠牲も少なくなるかもしれない
けれど一時的な混乱した状況での
感情で動いてはいけない
1人の乱れが全てを壊してしまう
一人ひとりの選択と犠牲を
背負っていかなくてはならないのだ
いつの日も
彼女達はこの選択をした
それが正解かなんて分かるわけない
誰にも。
馬を走らせていれば
左から走ってくる者に気づく
その様子で
ナツキとハンジは全てを察する
『奇行種数体の出現により
左翼側2隊は全滅した模様!』
『これを右に伝達してください!』
『…ナツキ』
「……はい」
後悔しても。過去を悔やんでも
戻ってくるのは現実だけ
ナツキはぐっと手綱を引いて
右に走った
左翼側の全滅を伝えれば
サッと血が引いたように
青ざめる兵士
そんな顔を見ていられなくて
逃げるようにその場を去った
『ナツキ、奇行種は近いようだよ』
「っ…」
ズシン、ズシンと小さく響く
キュッと唇を噛み締める
姿が見えたと同時に
信煙弾を打つ
雲ひとつない空に
真っ黒い黒煙が出来上がった
『ははっ…この量は困っちゃうな』
『ざっと五体はいるでしょうか…』
私の隣に並び
並走する同じ班のサキ
私と同期で部屋も一緒の戦友だ
彼女の手も微かに震えていた
『止めるしかないみたいだね』
「そう…ですね」
目尻が熱くなって考えることを辞めた
このまま逃げてしまいそうだったから
グッと覚悟を決めて
目の前の10m級の巨人に
アンカーを刺す
ワイヤーに向けて伸ばす手をひらりと
交わしてうなじにアンカーをうった
(捉えたっ!!)
一気にブレードを構えて
振り下ろそうとした時
グワッと視界が暗転した
『ナツキ!!!』
ハンジさんの声が聞こえるけど
どこにいるか分からない
何が起きた?
巨人は?
何も聞こえない。
分からない
怖い
ハッと正気を取り戻す
巨人が首を降ってそのまま
振られたわたしは地面に叩きつけられていた
ズキズキと右腕が傷んだ
右半身を強く打ち付けていて
立ち上がるのさえ難しかった
ハンジ分隊長とサキは?
見たのは地獄絵図
サキ…サキッ!!!!!
ハンジさんの怒号が響く
初めて聞いた、見た。
ハンジさんの怒りを──────────。
巨人の手に掴まれるサキ
それを助けようと血まみれで
フラフラになりながらアンカーを
刺すハンジさんの姿
パキッ
バキッ
そんな音が響く
耳にこびりついて離れない
目に焼き付いて離れない
その顔が
その声が
その音が
その涙が
「サキ……サキィィィッッッ!!!!!」
「ごほっ、ごほっ」
ハンジさんはどこ…
ハンジさん…
血まみれで倒れるハンジさんの姿
あぁ、私の注意不足で…
なんで…こんなに残酷なことをするの…
ズシン…ズシンと近づいてくる
これで終わりか
まだ使えるブレードは
沢山しまってあるのに
抜こうと思わなかった
アンカーをそこらの木に刺して
逃げようとも思わなかった
ただグリップを握って
そっとその時を待った
闇に飲まれた視界
けれどなにも来ない
なぜ
開いた目に映ったのは
──────────自由の翼
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どうも主こと有栖です
最近オチばっか考えて
内容を考えないというまぁ
最悪なことしてますね(((
私オチはバッチリなのに
内容がねぇ、っていうのが多くてw
まぁ投稿してるのは自己満なんで
気にしないって感じで
テスト期間です
泣きそうです
来週にはもうどんどん
顔色悪くなるでしょうね()
提出物さっさと終わらせないとなぁ…
ということで勉強してきますw
中学生の方は一緒に頑張りましょうね
それでは今日はここで
ばいちゃ
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#06オダマキ、そんな私を
オダマキ▼
愚か
コメント
1件
サキ...!? え゙っ…嫌だぁぁぁぁ(