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荒い呼吸と血の匂いがまだ残る haven の中。Jevinはすぐに Brud を床に寝かせ、Pinkiが震える手で包帯を巻き直した。
『……出血は止まった。でも、この体で前に立つのはもう無理ね。』
Pinkiは歯を食いしばりながら言う。
『……ごめんなさい…みんなを守るのが、ぼくの役目だったのに。』
Brudは俯き、無邪気さを残した笑顔を無理に作った。
Shellyがそっとその手を握り返す。
「いいの。生きててくれるだけで……もう十分。ね?」
Dandyは黙って頷き、真剣な顔で haven の中央に集まるよう仲間に促した。
簡易テーブルの上に広げられた地図と写真。
そこには、黒い墨のような線で「Black」の勢力範囲が塗られている。
『……もう分かったでしょう。あの化け物たちは全員、Blackに洗脳されている。』
Jevinの声は低く、重く響く。
『殺さずに退けられたのは正しい。でも……次は必ず、もっと強く、狡猾に攻めてくる。』
「……つまり、守ってばかりじゃいずれ限界が来るって言いたいの?」
Astroが地図を覗き込みながら言う。
『その通りです。』
Jevinは赤い印を指でなぞった。
『ここから北に、古い塔があります。そこには “Blackの力を遮断する装置” が残されているはず……私たちがここで生き延びてこられたのは、かつてその装置が動いていたからです。』
「でも今は動いていないんだろう?」
Veeが冷ややかに言い放つ。
『ええ。だからもう一度その装置を起動させないといけません。ただ……そこに向かう間、この場所は無防備になります。』
重苦しい沈黙。
皆の視線が自然と Brudへと向いた。
「……ぼくは、もうたたかえないんだよね?でも……ここで見張りくらいはできるよ。」
かすれた声で Brudが言う。
「ぼくにげない。みんなが帰ってくるまで……ぜったいに haven をまもるんだ。」
Shellyが涙をこらえながら微笑んだ。
「それで十分。あなたがいる限り、ここは私たちの帰る場所だよ。」