テラーノベル
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──────Gれいまり視点──────
バァンッ
闇を貫くその銃声音が路地裏でこだまする。闇夜に紛れた鮮血は光を浴びることが出来ずただ、黒く染ったようにしか見えない。
今回の話。めめ村全員が人外ハンターとなり、人間を守りつつ、人間に害をなすものを殺す組織に所属することになった。それぞれには人外への恨みがある過去ストーリーもついている。
まあ、結局は退治中にカウンターにあってあっさりと負けてバッドエンド。私はそれを避けつつ、この組織について調べなければならない。
私は、少し世界について勘違いしていた。いや、物語という概念についてかもしれない。どうやら、私が今まで辿ってきたのは全て同じ世界で、その中の様々なifルートを巡っている、という形らしい。春曰く、世界は全て共有だが、めめ村の種族、立場、過去、未来などの時間の違い──────様々な違いはあるが、世界は同じ。つまり、この世界について知れば知るほどあとのルートのためになる。本を読んでも全ては教えてくれない。実際にその世界に潜り、情報を集め、後に生かす。そのため、今回のルートは情報集めに専念することにする。幸いにも、今回私は人間で人外を殺すことに躊躇うことは無い。
「れいまりさーん?そっち終わりましたー?」
相方のガンマスさんがこちらに近づきながらそう確認してくる。しかし、既に死体となった魔獣を見て察したらしい。即座にテレパシー機を使い、部隊リーダーのめめさんに報告している。
私はそれを遠目に眺めつつ辺りを見回す。ここは小さな人間の町。朝は焼きたてのパンの匂いが香る素敵な町だ。この町には人間しか入ってはいけない、という掟があるらしい。なぜそんな掟があるのか、その理由は分からないが、破った場合の罰は知っている。──────死を与えられる。それだけだ。その役割こそが人外ハンターの我々である。我々は無差別に殺しはしない。悪側の人外を捌くものである。
「…はい、報告終わりました。」
ガンマスさんが振り返ってそう言う。街灯の元に照らされたその黒髪と鮮やかな赤色の衣装はどこか、暖かみがあった。ガンマスさんの顔を隠すその紙も妖艶な雰囲気を醸し出す。──────私は、ガンマスさんについてそんなに詳しくない。同じ仲間であることと、今世では相方であることくらいしか。だから、私は知らなければならない。あとのルートのために。そんな使命感にもえつつも、銃を懐にしまい帰る準備をする。
「じゃ、ガンマスさん寄ってください。テレポート発動させちゃうんで」
「別にれいまりさんの魔法じゃないでしょ?上層部から貰ったやつをあたかも自分の物のように言わないでくださーい」
「いいじゃないですか!私、魔法使ってみたかったんですよ!」
「は〜…まあお好きにどうぞ?」
そんな軽い談笑を挟みつつ、私は魔法陣が書かれたカードに手を添える。そうすると、しばらく認証機が私を持ち主だと判断し、真下に魔法陣が現れる。この田舎の町には少し刺激的なくらい眩しく輝く魔法陣は私に衝撃と憧れを与える。瞬時に眩い光が私たち二人を包み込む。あたりの情景は光に溶け、見えなくなる。
──────瞬きひとつの間にアジトについていた。C-4219地区のアジト。そこが私が所属する地区だ。周りには魔法を応用して作られた空飛ぶ家や、高い城や、クラシックを流すロボットがそれに合わせて踊りを見せる。空にはたくさんの魔法陣があり、まるで永遠に残る花火のように光り輝く。そのせいで空に瞬く星や月が見れなかった。
私の立場はいわゆる見習い。相方と言いつつ上司のガンマスさんと共に研鑽に励む日々を送っている。私の手持ちは銃とナイフ。残念ながら私に魔法適正は無いらしく物理的に倒すしかないらしい。…憧れとか残念と言いつつ、正直私は魔法を使う気にはなれない。トラウマ…と言うべきかは定かでは無いが、魔法を見ると心臓が握られているかのように焦りと焦燥感が溢れて気持ち悪くなってしまうから。さっきの魔法陣を使う時も手の震えが止まらなかった。パッとみ揺れているようには見えないだろうし大丈夫だろうと信じたい。
「ん、ほられいまりさん。リーダーに報告に行きますよー。」
「あ、はい!」
相方に連れられ、私は最上階へと向かう。上から見下ろす都市は先程の町よりも随分発展していて夜だと言うのに光り輝いていた。この都市は人外廃絶派の人間が多く集まってできた都市。そのせいで人外の反感を買いやすく、集中的に守らなければならない、ということでここに支部ができたらしい。ここを見る度に思う。ここに住んでいる人たちみんな、みーんな人外を嫌っているのだ。そう、私も同じ。だから共感できるし、守ろうと思える。同士であり、市民であるみんなを守る。それが力を与えられた私の任務なのだ。
いずれ、この都市が崩壊するまで。仕方がないのだ。このルートはもう捨てて、情報収集に徹する、と決めているのだ。──────私を、殺した時にそう誓ったから。
「れいまりさん!ちょっと?」
「え、あ!はい!」
「上の空過ぎますよ!?早く報告してください」
「あ、ただいま行ってきます!」
私は相方…と言うより上司感の強いガンマスさんに押され、リーダー室へと入室する。
1面ガラス張りのその部屋は街全体を眺めることが出来る特等席であった。リーダー室にいるのはもちろんリーダーのめめさん。それと、副リーダーのいえもんさんがそこにはいた。
「ご苦労。報告を頼む。」
リーダーがそう滑舌の良い声でそう尋ねる。圧をかけるつもりは無いのだろうが、張っている声は割と圧を感じる。しかし、それに気圧されることなく、私は報告する。
「はい!Gれいまりとガンマスによりナーベス町の人外の制圧に成功!被害者0名!目撃者も我々を除き0です!魔法陣によって帰還しました!」
「ふむ。罪なき村人の安全を守れて良かった。もう下がって良い。自分の部屋に戻りなさい。」
「わかりました!失礼しました!」
私がそう言い切り、部屋から退出する。そして、下に戻ろうとすると、扉の前には相方がいた。
「あ、え?ガンマスさん?」
「報告ご苦労さま。さ、部屋に戻りましょっか。」
どうやら待っていてくれたらしい。優しいな〜なんて思いつつも私はガンマスさんと共に下に戻る。
ここで切ります!時間が無い!!危ない!!
おつはるおつはる!
コメント
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4219が死に行くになってる…!