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6月2日【山梨編3 北杜】
電車に揺られる。きつく結んだ靴紐は私に寄り添うようにしてくれる。
JR中央本線、松本行き。3両しかないこの電車には、空きがある。風通しが、見てるだけでいいくらいに。
約25分の乗車であった。
山梨県北杜市、日野春駅。ここから私の本当の勝負。謂わゆる「時間との勝負」、バスはアワー単位。電車も1時間ごと、なんなら2時間ごとまである。なんて不便なのだろうか、私はなんでわざわざ。
ICカードを通す。
「涼しい」
なんと感性の乏しい感想だろうか。
山梨県最北西の地、北杜市。それなりに上がってきたのだろう。
バス停の時刻表をみる。
あと、、30分。
行き先は小説原作のアニメの聖地であるスーパー。昼飯は軽くそこでと思った。
さて、歩いても30分。どうしようか。
待つことにした。時には、甘え、この駅舎の空気、北杜の空気を堪能し、バスを待とうと考えたのだ。
脇の花壇は高校からの寄贈品、高校もあるのか。
バスが来た。
「あれ」
ICカードのタッチ部分がない。車はバスではなくハイエースのようだった。民間が運営しているらしい。運転席部に目をやる。
『後払い』
なるほど一律200円。戸惑うが、都会より田舎の方が、こう言う面では便利なのであろう。
『次は牧原上、降りる際はボタンを押して下さい。』
ピンポーン!
先に押された、私も押したかった。
この駅は、まきのはらかみ、と読むらしい。なんだかリズムが悪い感じがする。
200円を高価投入口に入れ、下車する。
失礼しますと、心の中で謝罪しながら、横断歩道ではない道を渡る。
スーパーは涼しい。店員と、住民は顔見知りなのだろうか、馴れ馴れと話している。私の街にもあぁいったものが欲しいものである。
コロッケを2種類。牛肉と、メイクイーン。それからお菓子を。
聖地ということもあり、たくさんのアニメグッズが置かれていた。写真を何枚も撮り、私は足を少し引き摺りながら店を出る。
もう少しみていたかった。
ベンチに座り、貪る。
家々の脇の水路の水は、驚くほどに綺麗であった。
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#暇だから構えっ…//
榎葉
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コメント
1件
榎葉さん、第11話読ませていただきました。 「涼しい」という一言から始まる感性の率直さに、思わず苦笑いしてしまいました。でも、ああいう何気ない呟きって、旅先でふと零れる本音ですよね。日野春駅の待ち時間、バスではなくハイエースだった戸惑い、スーパーでの地元の人の馴染み方――どれも「ひとり旅のリアルな距離感」が丁寧に描かれていて、とても好きです。最後の水路の水の綺麗さが、しみじみと心に残りました。