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10 - 第10話 ホルモンの刺身を食べたい

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2025年03月25日

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### 第10章 ホルモンの刺身? 
ドアがパコンっと開いたら。四十代前半の主婦がエプロンをかけ、手に油汚れをつけたまま現れた。「ご苦労様です。最近物騒ですからね」不自然に吊り上がった口元で、奇妙な笑顔を示す。  


テーブルにお茶を出しながら主婦が質問する。「うちは私と八歳の息子だけですよ、 事件なんか関わってませんわ」  


神宮寺鈴が型通りの笑顔を作る。「全戸調査です。ご家族皆さんの確認をお願いします」  


主婦が子供部屋に向かうと、鈴が江島に耳打ちした。「住民の証言によると、『いつも階段影で何かを食べる少年』が……」  


江島は四階の少女・遥の「友達」発言を思い出す。


「さらに、警察庁から前の被害者三名に関して四肢と内臓が欠損していたとの事です」  


江島が気づく、さっきの男性被害者は顔だけグッチヤグッチヤにされてた、他の部分は何も損害なかった。この手法は毀容鬼と合致している。

これで解釈がつく、他の何かが他の部分を取り去った。 


そして、料理をしているキッチンをチラ見する。


その時主婦が戻って来た。「すみません、子供が恥ずかしがり屋で出てこないのよ、部屋行って調査お願いできる」


龍は思わず「もちろん」と言いながら、部屋に向かう。

 

子供部屋には青白い少年がいた。鉛筆でノートにぐしゃぐしゃと線を描き続ける姿は、まるで人形のようだ。口からは腐った魚のような臭気が漂っている。  


龍が部屋に入るととっさに言う。

「君の母ちゃんの友人だよ、怖がらなくでいいよ」

これを聞いた子供が突然顔を上げて衝撃発言をする「あの人はママじゃない」

これを聞いた二人は唖然とするが、すぐに鈴が反応する、龍に小声で呟く。

「嘘だよ、玄関で家族写真が飾っていて、間違いなく一家だよ」 

 

龍もその写真を見てたいた。

「お母さんと喧嘩したの?」。 


衝撃の証言が始まる。「いや、本当です。昔はお母さんだったけどある夜以降はもう違うのだ、あの夜僕テレビを見てて、ママが洗面台で髪を洗ってたら、いきなりリンゴを食べたいって言い出した。それ聞いたパパはリンゴとナイフ取り行ったが、ママは顔も上げてないし、リンゴ食べたいって一言も言うてないのだ、言っているのは鏡の中のママだ」   


鈴の喉が鳴る。鏡越しの存在──都市伝説『鏡鬼』の兆候だ。  


「パパは何も気づいてないようで、ゴメン、僕怖くて、何も言えなくて、その後何日か経ったら突然パパが消えた、その夜ママは大量の肉料理を作った。僕はその肉見るとどうしても口にできない、その後もママが作った料理を一口も食べていない、お腹すいてたらゴミ捨て場でなんとかした」


少年の話を聞き終えた鈴は、江島を部屋の隅に引っ張った。  

「どう思う?」  

「彼は嘘をついてないはずだ」江島は低い声で答えた。「都市伝説で聞いたことがある。深夜12時に鏡の前でリンゴの皮を途切れずに剥けば、鏡鬼(きょうき)に会えるという」  

「だが一歩間違えると、鏡鬼が人間の体を乗っ取り、人生を奪う。本来の魂は鏡の中に閉じ込められたままになる」  

「私もその話を知ってる」鈴が頷いた。  

「確認が必要だ」江島は彼女を連れて洗面所に向かうと、二人は息を呑んだ。壁には鏡を固定していた接着剤の痕が残っているが、鏡そのものは消えていた。  

この事実が、彼らの予想を確信に変えた。  

鏡鬼伝説の重要な部分──鏡鬼は乗り替えた魂が戻らないよう、自分を呼び出した鏡を粉砕するのだ。


洗面所の壁には鏡の接着痕が残されていた。鏡鬼が証拠隠滅したのだ。  


「夕飯できたわよ!」主婦の声が響く。食卓には脂っこい肉料理が並ぶ。ローストビーフ、豚の角煮、手羽先の唐揚げ……どれも生焼けで血が滴っている。  


江島が箸を置き「高級食材はシンプルに頂きたい。ホルモンの刺身など作れますか?」  


主婦の頬が痙攣した。《鏡鬼が強い嫌悪感。鬼オーラ+20》  

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