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※ 呪術廻戦二次創作 、 解釈不一致の可能性有 、観覧自己責任 、BL要素有
この世で最も美しい人間とは。
御伽噺の中で出てくるこの台詞。
鏡に聞けば、白雪姫と答えるだろう。
だが、私に聞けば、五条悟と答えるだろう。
「傑ー」
「飯行かねー?」
気の抜けた口調で私の名前を呼びかける。返事させる隙も与えず、要件を口に出す。
「いいよ。もう今日任務ないし。」
今日は、悟と2人の任務以外はなく、僥倖だ。私は、いつも通り何も考えずに了承した。
どこに行くか、何を食うか、食った後に何をするか、話しながら歩いた。やはり、悟は子供だ。こんなに身長も大きく、筋肉も付いていて、私が知る中で1番強いというのに、何度見ても子供だ。私を揶揄う姿も何かを食す姿も、こちらを見て笑う姿も子供だ。可愛らしいと思えるほど。
「悟…だよな?」
私は咄嗟に問いかけた。悟が手に持っているのは、星奬体の天内理子の死i体だった。以前、我々高専が、天元との同化のため星奬体天内理子の護衛を担当した。その際、フィジカルギフテッドという呪力を一切持たない伏黒甚爾という人物に天内理子を殺害された。伏黒甚爾は、1度悟を殺害したはずだが、悟は反転術式1点に集中しその後生命を保った。そして、死に際に掴んだ呪力の扱い方、それを利用し伏黒甚爾を「術式反転 赫」で殺害。これが一連の流れ、だった。私は悟の変わり果てた様子に驚いた。
なにがあったのか、なにを得たのか、なにを利用したのか。悟の全てが変わっているように見えた。もう悟に追いつけない、そんな気がした。いや、そんなことより悟が、
美しかった。
美という言葉の頂点、いや美そのもののように見えた。彼の目は前より輝いて、落ち着いていて、何か遠くを見る目だった。こちらを見ているのではなく、私の後ろの後ろの後ろ、世界の輪郭を見ているような目付きだった。そのような悟の視線に、私は心を打たれた。酷く惹かれた。
白く長い睫毛は逆立っていて、瞳の色は冬の快晴のようで、肌は一段と白くサラサラとしていて、この世の全てを得た姿のように見えた。
彼の容姿に惹かれ、気付いた頃にはもう、手遅れだった。彼が恋しく愛おしく、欲しい、私のモノにしたい。リラックスし、何か考えるのをやめたら真っ先に出てくる本音がこれだ。私は、自分に失望した。気持ちが悪かった。この感情を忘れたかった。
忘れるために、世界を壊した。
「遅かったじゃないか、悟。」
自分から離れて、相手の大切なものを傷つけておいてこの態度。反吐が出る。だが、彼はこんな私にも最後の言葉を言う猶予を与えてくれた。
「……。何か言い残すことはあるか」
「誰が何と言おうと非術師は嫌いだ。でも別に高専の連中まで憎かったわけじゃない。ただこの世界では、私は心の底から笑えなかった」
酷い本音だ。
どちらを選ぶのが正解だったのだろう。これで正しかったのか。私がこんなことをしなければ、彼はもう少し笑顔を絶やさず、美しい子供のままで入れたのかもしれない。など、最後まで、自分の後悔しか考えていなかった。
「傑」
「―――」
驚いた。
彼は呪いを残したり、呪いの言葉を吐いたりしないと知っていた。だが、ここまでとは。
「はっ」
「最後くらい、呪いの言葉を吐けよ」
作り笑顔、という訳でもなかった。
心の底から笑えなかった?なんて言い訳だ。
心の底から愛し、笑い、怒った。
たった一人の最愛の親友だ。