★ Ohmori Motoki side
1年前。有難いことに曲が沢山流行って、音楽番組に出させて頂く機会も増えた。
Mrs. GREEN APPLEというバンドが浸透していくのはたまらなく嬉しいのだが、仕事が一段と忙しくなってろくに休みを取れていない。
中でも僕は一番忙しい。作詞作曲にテレビ収録に生出演、レコードディング……
忙しすぎてもうむかつくレベルまでやってきてしまった。
18:00。
いつもなら夜飯を食べている時間だ。
「今日は仕事あるしいいか…」
この後からテレビ番組の収録がある。食べている暇があるなら用意でもしておく方がいいだろうと考え、冷蔵庫をバタンとしめる。
その日から、歯車が狂った。
「今日も…」
「今日もいいや」
「曲作らないと…」
「レコーディングのために練習…」
食べなければ、と分かっていても後回し。
そして結局時間が無くて食べられない…ということが多くなった。
時間のある日は多少食べて、仕事をする時間になりそこで終わり。
そんなことが習慣になりつつあった。
そんなある日、突如オフの日が取れた。
楽曲制作も特にないので、一日オフということになる。
暇だなーなんて思っていたら、昼飯の時間がやってきた。
久々に食べよう、と思いカップラーメンを作る。
カップラーメンも大量に溜まっている。
少しずつ消費していくかなんて思いながら、3分鼻歌を歌いながら待つ。
ぴぴぴっ、とタイマーが鳴ったのでびりびりと蓋を開ける。
「いただきます」
久々のちゃんとした食事だな。と思い、
麺を口に運ぶ。
「っぅ゛…」
吐き気がした。
食べられない。
「っひゅ、は、っ゛…」
飲み込めない恐怖と喉に麺が詰まる痛さで涙を浮かべながら、 麺をさらに詰め込む。
飲み込めなくて、吐き出してしまいそうだった。
ついに、食べられなくなってしまった。
「ぉ゛え、っ…っ゛う…」
どろどろとした、気持ち悪い液体が口の中から零れ落ちてくる。
「ぅ゛え…っ、っひ゛…けほ゛っ、…」
食べられない
恐怖と気持ち悪さが交差して
少しのあいだ呆然としてしまう
「食べなかった…せい…?」
忙しさのあまり遠ざけていた食事
そのせいで、もう食事が出来なくなっていた。
苦しさで、もう何も考えられない
「っ゛………」
苦しい
食べないと
…たべ、ないと
食べれないと分かっていても、麺を口の中に放り込む
「おぇ゛…っ、ぅ゛」
たべないと、
「っぉ゛え…」
苦しい
コメント
3件
っ 、 辛いです 、自分じゃなく みんな を優先しているんですね 、
初コメント失礼します📝 早く!早く食べて!死んじゃうぅぅって心で叫びながら拝読させてもらってます😭ここからの展開をドキドキしながら楽しみにしてます🫣✨️