テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
康英は灰になった友を見送った後、メアリと共に例の部屋に向かった
爆発したのなら焦げているはずだが部屋そのものは綺麗さっぱり美しい真っ白だった。
2人は部屋へと入る。
康英のスニーカーの音と、メアリの厚底サンダルの乾いた足音が静かな部屋に響き渡る。
2人は掲示板を見つめ文字を見つめる
“ハグをしないと出られない部屋”
康英がメアリの方を向き歩き出すと メアリは少しだけ目を見開いた。
(男からってルールだったっけ…?それとも…私に気があるわけ…?)
頭の中で色々と疑問が浮かぶが康英にそんな気は更々ないだろうし 恐らくただ部屋を出たいだけだろう。(多分)
だが次に康英の口から出た言葉はメアリにとってはあまりに予想外だった。
「メアリちゃん 少しだけしゃがんでくれる?中腰でもいいけど…とにかく少しだけ身体を縮めて欲しい」
メアリは今度こそ明確に驚きの表情が浮かぶ
「えっ どうして?」
康英は照れ臭そうな素振りすら見せることはなく
「そっちの方が抱きしめやさいから 俺の方が身長が低いでしょう?俺が抱きしめようとするとしがみついてるみたいじゃん?だからメアリちゃんには少ししゃがんで同じくらいの背丈になって欲しいんだよ」
とどストレートに伝える。
メアリは「う、うん…」と少し動揺しつつもほんの少しだけ中腰になりスタンバイ。
準備はいつでもOK。
「はい」
康英は手を伸ばしメアリにぎゅっ…と抱きつく
メアリの心臓が少しだけ跳ねる
(え…えぇ…照れとかないんだ…!?なんか私だけが…ドキドキ…とも違うけど…別に新戸に恋愛感情とかないし…でも流石に…ね。ここまでくっつかれるとはね…)
康英がメアリの首筋に顔を埋めると、メアリの頬に康英の紫苑色のふさふさとした髪が触れる
「に…新戸…あの…」
「…静かに」
康英の少しだけ低い声が耳元で聴こえる。
メアリの服は肩出しブラウスのため康英が小さく呼吸をする度に息がかかる。
「ッ…!?」
無機質で静かな部屋には服が擦れる微かな音しか聞こえない
メアリが沈黙に耐えきれず口を開こうとしたその瞬間 タイミングはいいのか悪いのか終了の合図を告げるクラッカーの音が鳴った
康英はそっとメアリから離れた
「行こ メアリちゃん」
と手招きをしながら歩き出す
メアリはそれに応えるように待って〜と足取りを軽くしながら康英の後を着いていく
(…もう…恋愛感情はないわけ…?それならあんな密着する必要なんて…)
だがこのときメアリは気付いていなかった
康英の瞳が微かな熱を帯びていたことに…
(恥ず…)
康英は言葉には言い表せないような複雑な羞恥心を隠すように自身の髪を片手でそっと押さえた
コメント
1件
あー、これ好きだわ!「身長差問題」ってタイトルからして絶妙じゃない? 康英が「抱きしめやすいからしゃがんでもらう」ってストレートに言い切るのが逆に清々しくて、メアリの「私だけドキドキしてる…?」みたいな困惑と、最後の康英の耳元の声&「恥ず…」のギャップにやられた。見た目クールで内心爆笑するタイプかと思いきや、ちゃんと照れてるの可愛すぎんだろ🔥 次も読むわ!