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シオンとアリエルは、ついにダンジョンの最深部を突破し、地上へと足を踏み出した。
暗い洞窟の中での戦いが終わり、倒れたデスウォーカーたちの残骸がちらほらと見えるが、周囲は静まり返っている。シオンは息を切らしながらも、まだ手にした剣からはかすかな青い光が漏れている。それでも、彼の体には魔力を使い過ぎた疲れが色濃く残っていた。
シオン:「やっと…外に出られたか…」
アリエルも同じように疲れた様子だが、目の前に広がる荒れた地を見て、すぐに警戒を強める。
アリエル:「でも、これで安心できるわけじゃないわ。前衛隊がどこにいるか、全く見当がつかない。」
シオンはしばらく周囲を見渡し、静けさに包まれた大地を感じながら、答えた。
シオン:「…全然、前衛隊の気配がしないな。こんな広い場所で、どうやって探せばいいんだ…?」
アリエルは黙って彼の肩を支え、二人は足元を気にしながら歩き出す。しかし、どこまでも続く荒れ地と静寂の中で、二人は何も進展がないことに焦りを覚え始める。
シオン:「…もうちょっと探してみるか?」
アリエル:「そうね、でも焦らず、慎重に探さないと。ここから何か手がかりが見つかるかもしれないわ。」
シオンはうなずきながらも、次第に無力感が募ってきた。彼は手にした剣の柄を握り直し、再度周囲を見渡す。
シオン:「…全然、見つからないな。こんなとき、どうしていいかわからなくなる。」
その時、突然、背後からひょうひょうとした声が響いた。
声:「おい、お前ら、前衛探してるんか?こんなとこで迷子になっても、無駄やで。」
その声に、二人は反射的に振り向く。そこには、まるで二人をからかうような笑みを浮かべた男が立っていた。年齢は30代半ばくらいだろうか、目つきは鋭く、体格もほどほどにがっしりしている。しかし、どこか余裕を感じさせる態度で立ち尽くしている。
男は軽く肩をすくめてから、わざとらしく息をつきながら続けた。
男:「ふーん、ほんまに前衛探してるんか?こんな広い荒れ地でウロウロしてても見つからんで。無駄に時間使っとるだけやろ?」
シオンはその言葉に反応し、少しムッとした顔で男を睨む。
シオン:「なんだお前、からかってんのか?」
男はニヤリと笑い、まるでシオンを見下ろすように言った。
男:「からかってるんちゃうで。ただ、見ててわかるけど、君らみたいな奴らがこの先進んでも、無駄やって。お前ら、力使いすぎてるだけやろ。そんなに歩き回っても無駄無駄。」
シオンはその言葉に再度ムッとし、拳を握りしめたが、男はそれを楽しんでいるかのように舌打ちをしてから、続けた。
男:「あんたら、ほんまに探してるなら、俺が案内してやるだけや。こんなとこでヘタに歩き回っても、無駄に疲れて終わるだけやし。」
アリエルはその男の言葉を冷静に受け止めつつも、その態度に苛立ちを覚えた。彼女も警戒心を強く持ちながら、男の言葉をじっと見つめる。
アリエル:「あなた、何が目的なの?」
男は少し首をかしげ、肩をすくめながら答える。
男:「目的?お前らが前衛隊を探してるんなら、俺も目的は一緒やろ。俺が案内すりゃ、君らが無駄に力使わんで済むやろ?無駄にエネルギー消費して、後で倒れられたんじゃ、意味ないやん。」
シオンはその言葉にイラつきながらも、冷静になろうと努める。
シオン:「…お前、何様だよ。」
男はシオンの言葉を無視して、ふん、と鼻を鳴らしながら言った。
男:「何様って?前衛隊探してるんやろ?じゃあ、俺が前衛やるんや。お前らみたいに、フラフラしてるだけじゃ何も変わらん。俺が出てやるから、お前らは後ろで大人しくしてろ。」
その言葉に、シオンは怒りを抑えきれず、顔を真っ赤にして叫びそうになるが、アリエルが軽く彼の肩を押さえた。
アリエル:「落ち着いて、シオンさん。」
男はその反応を楽しむように、さらに言葉を続ける。
男:「ほれ、前衛やるって言ってるのに、そんな顔してんじゃないよ。お前らは、後ろから支えるだけや。前衛は俺がやったるから、ありがたく思えよ。」
シオンはその挑発に、もう耐えきれずに顔をしかめる。
シオン:「ふん、わかったよ。お前がやるなら、好きにしろ。」
男は満足げににっこりと笑いながら、ゆっくりと歩き始める。
男:「やっぱり、お前らは頼りないなぁ。俺みたいなもんが出ないと、何も始まらん。ほら、ついてこい。」
シオンとアリエルはその後ろをついていくしかなかった。男の挑発的な態度に腹を立てながらも、今は彼を頼るしかなかった。
次回、第8話『新たなる仲間』
男が前衛を引き受けることになったが、その先に待っている真実とは?シオンとアリエルは、この男をどう信じ、どんな戦いを迎えるのか——その答えが今、試される。