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⚠︎自己満です….完璧私の癖が出ちゃうので苦手な方は見ないでね!!!(ダーク、利用など)
最近まいぜんハマってますごめんね!!!
マイッキー(中の人)×ぜんいちのオフって感じかなよろしく!あ、前の作品とは全く関係ないです!
その日は、
いつもより空が明るかった。
撮影もない。
編集も終わってる。
久しぶりに、二人で何もしない日。
ぜんいちは、それだけで少し安心していた。
「ねえ」
ソファに並んで座っている時、
マイッキーが唐突に口を開く。
「ちょっと、話していい?」
その声が、
妙に落ち着きすぎていて。
「……うん」
嫌な予感は、
もうこの時点で喉元まで来ていた。
「最近さ」
マイッキーは、
指先でスマホを弄びながら言う。
「YouTube、楽しい?」
「……え?」
質問の意味が、
一瞬理解できない。
「楽しいよ」
「当たり前じゃん」
そう答えた声が、
自分でも分かるくらい速かった。
マイッキーは、
ふーん、と曖昧に頷く。
「俺はさ」
一拍置いて。
「正直、ちょっと疲れてきてる」
胸が、
ぎゅっと縮む。
「……どういう意味?」
「このまま続けるの、どうなんだろって」
「二人で、ってのも」
ぜんいちは、
言葉を待つしかできなかった。
「解散、も」
その二文字が落ちた瞬間、
音が消えた。
「……は?」
「別に、今すぐじゃないよ」
慌てて付け足す。
「可能性の話」
「選択肢として、ね」
でも、
ぜんいちの中ではもう、
“可能性”じゃなかった。
「なんで……?」
声が、
自分でも驚くほど震える。
「俺、何かした?」
「してないしてない」
マイッキーは即座に否定する。
「ぜんいちのせいじゃない」
「俺の気分」
――気分。
その言葉が、
一番残酷だった。
「……じゃあさ」
ぜんいちは、
縋るみたいに前のめりになる。
「俺、変わるよ」
「もっと頑張る」
「編集も、企画も、全部」
「そういう話じゃないって」
「じゃあ、何?」
マイッキーは、
一瞬だけ言葉に詰まる。
「……距離、かな」
「距離?」
「少し、離れたほうがいい気がする」
それは、
YouTubeの話なのか。
それとも――
「それって」
喉が、
ひりつく。
「俺とも?」
マイッキーは、
すぐに答えなかった。
その沈黙が、
答えみたいだった。
「……待って」
ぜんいちは、
無意識にマイッキーの袖を掴んでいた。
「俺さ」
「YouTubeなくなったら」
言葉が詰まる。
「……俺、何?」
マイッキーの目が、
ほんの一瞬揺れる。
でも、すぐに逸らされる。
「大丈夫でしょ」
「ぜんいち、一人でも」
「無理だよ」
即答だった。
「無理」
「だって俺」
声が、
壊れそうになる。
「マイッキーがいないと」
「俺、ちゃんと立てない」
言ってしまった。
一番言いたくなかったこと。
マイッキーは、
小さく息を吐く。
「……重いよ」
その一言が、
刃みたいに刺さる。
「あ……ごめ」
「責めてるわけじゃない」
そう言いながら、
立ち上がる。
「ただ、考えたいだけ」
「だから」
「少し、距離置こう」
ぜんいちは、
何も言えなくなった。
解散。
距離。
気分。
全部、
マイッキーの言葉なのに。
「……行かないで」
気づいたら、
そう言っていた。
マイッキーは、
振り返る。
その表情は、
優しいままだった。
「捨てるわけじゃないよ」
「ただ」
「今は、そういう時期」
玄関のドアが閉まる。
ぜんいちは、
床に座り込んだまま、
しばらく動けなかった。
――捨てられてない。
――でも、選ばれてもいない。
その宙ぶらりんが、
一番苦しい。
「……俺が悪いのかな」
独り言が、
誰にも拾われない。
この時、
ぜんいちはまだ知らない。
“解散”という言葉が、
マイッキーにとって
一番効く首輪になったことを。
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