テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
・この世の全てと無関係
・もはや名前お借りしてるだけ
・捏造100%
・口調、キャラ崩壊
・カーテンネタ
・今回短め
・BLは展開の早いファンタジー
rt side
ある日の昼前。
せっかく休みなのだからと、俺の家に恋人であるテツが昨日から泊まりに来ていた。
二人きりになれる機会が最近あまりなかったというのもあって、二人して体力や理性諸々全てを削ぎ取るような激しい夜を過ごした。
そしてこの時間帯に目が覚めたのである。
先に目を覚ましたのは俺だったが、テツが起きるまではと、そのふわふわとした癖っ毛を梳いたり少し冷たい手を包んで揉んだりと中々に好き勝手していた。
目を覚ましたテツに身体は大丈夫かと心配すると、珍しくそこまで痛めていないらしく、腰に湿布を貼ってやればある程度歩けるくらいには動けていたので安心した。
今は遅めの朝食を食べ終わり、ソファで寒さを誤魔化すようにくっつきながらキリンちゃんを撫でたりネットを覗いたりしている。
と、不意にテツは「ぁ、」と漏らすように音を吐き出すと、急に立ち上がって歩き始めた。
漏らした声とその行動に焦りの様子がない…というか、何かを思いついたような感じを見てますますなんだと視線をテツに向ける。
身体半分に感じていたぬるめの温もりが消えたのが妙に寂しく感じてしまった。
テツはぺたぺたと素足でリビングの床に歩を進めると、窓の前で静止した。窓は空気の入れ替えのために少しだけ開けていて、カーテンが揺れていた。
テツはおもむろにカーテンの裾を持ち上げると、それを自分の頭部にかけた。そして、くるりとそのまま俺の方を向く。
「見てくれよリト君!
これさ、ベールみたいじゃない? 」
今思いついたんだよ、俺天才かもしれないとニコニコ話すテツに、俺は息を呑んだ。
風に乗ってカーテンが時々ふわりと空気を孕んで舞う。純白と言っていいほどのカーテンの色が、余計にそれを連想させる。
綺麗だと、愛おしいと思った。
俺は手に持っていたスマホを半ば放り投げるように乱雑にソファに置くと、テツに歩み寄る。
そのまま、妙に細くて白い体を抱きしめた。
「ぇ、は、り、リト君?! 」
「……っ、」
テツは急に抱きしめられて驚いたのか、わたわたと少々騒がしくなり始めた。
行き場を無くした腕があわあわと宙を彷徨い、やがておっかなびっくりな様子で背中に腕が回された。
「な、なに、どうしたんだい急に」
「…や、…抱きしめたくなった…?」
「なんで君疑問形なんだよ」
「なんか、…さ、
抱きしめてぇなって思って」
「それまた急な」
軽快に交わされる会話が心地いい。
テツも少しは慣れたのか、最初の慌てた様子は消え失せ、今は俺の曖昧な心境を聞いて笑っている。
「…なぁ、テツ。せっかくならさ
俺達、ここで結婚しよ」
「……、はい?」
「だからさ、結婚しようって」
「ぇあ、……するにしてもさぁ、
し、締まらなくない?ここ…」
「仕方ないじゃん、正式な同性婚無理だし」
そう、この海に囲まれた小さな島国では、まだ法律上同性婚は認められていない。
正式な式も挙げられないし、婚姻届だって出すことすらかなわない。
「せ、せめて保障人みたいな人とかさ…」
「キリンちゃんいるじゃん
…テツは、したくない?結婚」
「……ぅ、したぃ、です」
「ふは、顔真っ赤」
「うるせぇ笑うな!!」
りんごのように顔を赤に染めながら怒るテツに、俺はテツがパンクしてしまうだろうから、と考え可愛いと言いかけるのをぐっと堪える。
一度腕に力を込めてぎゅ〜、と抱きしめてから、ぱっと一旦体を解放してやる。
押し黙って口元をきゅ、と真一文字に結んでいるテツを心底愛おしいと思いながら見つめる。
「…なんだっけ。
病める時も健やかなる時も〜、だっけ
まぁ、全部言わなくたっていいか」
「適当だな…」
「牧師じゃねぇから俺
…ずっと一緒に添い遂げるって
誓いますか?」
「っ、…!……誓い、ます」
「俺も…誓います」
お互い部屋着の少しダボッとした服、いつもの家のリビング、遠くで聞こえる様々な環境音、俺達以外いない空間。
テツの言った通り、これは締まらないな、と内心笑う。でも、それでいいと思った。どこか決まりきらない雰囲気だって俺達らしい。
たまに知り合いの結婚式に呼ばれたりするので、順序は大体分かる。この次は指輪の交換だ。だが、もちろんこんな唐突に決めた式では用意が出来ている訳もなく。
「…次の予定、
指輪買いに行くデートにしよ」
「ぇ、い、いいの?
男二人でそういうとこに入って…」
「ダメってことはないだろ 」
「た、確かに…じゃあ、
楽しみにしとこうかな」
はにかむようにへにゃりと笑うテツを見て、まだこのお泊りすら終わっていないのに次のデートが待ちきれなくなってしまう。
うずうずする気持ちを誤魔化すように何回か深呼吸すると、今度はいつの間にかテツの目元まで下がってきていたカーテンの裾に指を滑らせ、添える。
「…いい?上げて」
「ぁ、……ぅん、」
お互い、これから何をするのかはもう分かっている。
俺は花嫁の被るベールをめくる花婿のようにゆっくりとカーテンの裾を持ち上げる。
そうすれば、案の定顔を赤くさせたテツがはっきりと見えた。
やっと目が合うと、無言で唇を合わせた。
不意にするような短いキスでも、夜の時のような激しいキスでもない。ただただ相手を愛し相手に愛されていることを色濃く伝わらせる、少し長い時間をかけてのものだった。
ゆっくりと離れると、テツからはぁ、とため息が漏れた。そういえば、いつまで立っても鼻で呼吸しているような感じがしなかったから、もしかしたらキスしてる間は息を止めていたのかもしれない。
テツはそれから急にへなへなとその場に座り込んでしまった。
「ぇ、どうした?!大丈夫か…?」
「え?あ、あぁ、うん…
…なんか、幸せでどうにかなっちゃいそうだ…」
「……俺も。今、超幸せ」
俺もテツの隣に座ってはにかむ。こんな時間がずっと続けばいいと思う。
いつか、本当に結婚式を挙げることはできるだろうか。もしそうなったらマナもウェンも、西の四人も海の向こうの三人も呼ぼう。
いつかバージンロードを二人で歩けることを夢見て、自然に繋がれた手を揺らしてまた笑い合うのだった。
END.
今回ちょっと短めでしたね
平日更新できましたよ皆様〜!!
オタク(一人称)はカーテンネタ大好きです
このrtttはttが抱えてる+∞の問題とか
それぞれの心情もろもろを理解し合ってるような感じです
まだまだ筆のペースは遅いですが
今後とも何卒よろしくお願いします
コメント
2件
幸せな気持ちになりました…💓