「Guest!!」
「Noob!」
スケートボードを上手く乗りこなしながらこちらへ向かってくる彼。
その仕草がかっこよくて少し胸がときめいた。
「おは!!これ飲む?」
飲みかけのBloxy Colaを差し出す彼、関節キスだなんて気にしないのだろうか。
「えっと⋯」
「いらない?ならぜんぶ飲んじゃうもんね!」
明るく笑って彼はBloxyColaを一気に飲んだ。
(もったいなかったかも⋯)
少し後悔もあるけど、また次の機会に期待して気持ちを切り替える。
「Noob」
「ん?なあに、Guest!」
名前を呼ぶとすぐにこちらを向いて笑ってくれる。
「好き」
「へ?おれもすき!」
「大好きだよ」
「うん!おれも!」
彼はきっと本気にしていないのだろう。全て「友達として」だと受け取っている。
「付き合いたい⋯だなんて⋯へへ、おかしいか」
「⋯」
彼は何も言わない。嫌われた?嫌だ。彼に捨てられる?絶対に嫌だ。
「ご、ごめんなさい!変なこと言ってごめんなさい!!」
怖くて怖くて頭を下げて謝る。
「⋯うーん」
Noobは少し考えてから話し出した。
「謝らなくてもいいよ、おれも付き合いたいって思ってたもん!へへ!」
その言葉に体が硬直する。
「へ、?ぬーぶも、?あぇ、?うそ⋯うそ⋯」
「嘘じゃないよ!」
「うえあああ⋯!?!、!」
顔が真っ赤になる。彼はそれが面白かったようで涙が出るほど笑っていた。
「はははっ!!Guestったらかわいいね!嫌われるとか思っちゃってたの?」
「う、うん⋯ごめんね」
「かわいいね!ちゅーする?」
「な、なんっ⋯!?」
「だってもうおれたち「コイビト」でしょ?」
彼は腰に手を回して抱きしめてきた。
彼と密着してわかった。
(背たかくなったな⋯)
少し顔をあげないと目が合わない。
「ん、⋯」
「っ?!???んんっ??!」
彼は突然唇を奪ってきた。
「はじめて?」
「え、は、はじめて⋯だよ」
「へへ、おれも!じゃあおれたちはじめて同士だね!思い出になっちゃうね!」
無邪気に微笑む彼が眩しくて。
(やっぱ好きだなぁ⋯)
恥ずかしくて顔を伏せた。でも君はすぐ僕の顔を覗き込んできて、頬にキスをした。
「うう⋯もー⋯」
「嬉しいんでしょ?わかってるよ!」
「Noob⋯!!」
「恥ずかしがらないで!もっとかわいくなっちゃうよ!」
「ねーえ〜〜!!!」
胸をぽこぽこ叩いても彼はずっと笑うだけで。
そんな彼に少しムッとするけれど、それ以上に幸せを感じた。
「⋯大好きだよ、Noob」
「おれも!世界でいちばん大好き!」
抱き合う体は暖かくて、柔軟剤のいい香りがした。