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摩浪side
アメリカに渡って1週間がたった頃。今は夜の10時。
摩『さーて、やるかぁ』
アメリカの酒場でポールダンスのショーをするために準備をしていたところだ。衣装は露出多めで化粧もがっつり派手だけど、これが好評⬆️
ショーの途中客席を見ると見覚えのある人物が見えた気がする。男気溢れる顔立ちは中学の頃から変わらない。だが本人だろうか?
今日の分の仕事も終わり、酒場で休憩していると、ショー途中に見えた人物から声をかけられた。
??「やっぱ摩浪だな」
摩『岩泉さんでしたか。お久しぶりです』
岩「おう」
そしてもう1人後ろに人がいた。俺と岩泉さんより一回り年上の男性。
岩「紹介する。こっちで活躍してる日本人トレーナー空井崇さん」
空「こんばんは、素敵なショーをありがとう」
摩『空井崇…え、あ!若利さんのお父様』
若利さんのお父様だった。中学の頃にご両親が離婚したという話の時のことだ。怪我が多く引退していたという人。
岩「牛島に聞いたのか」
摩『はい。でもまさかここでお2人と会えるなんて、嬉しいです。ホッとした』
岩「にしても派手だな色々」
摩『こっちで休暇しながら、よるはショーに出て、昼間はバレーしてます』
岩泉さんとは中学以来あまり会ってたなかったため、本当に久しぶり。最近は“久しぶり”が多くてなんか懐かしい気分に浸っちゃう。
摩『あ、そうだ、空井さん』
空「ん?」
摩『若利さんもっと強くなってました。彼から聞きました、幼い頃に父が守ってくれたと』
彼が今も左手が最強なのは、彼自身が努力してきたからなのもある。でも左手を守ったのは父である空井さんだ。
摩『若利さんは俺の永遠の師匠です。彼の左手を守ってくれて、ありがとうございます』
空「ははっ笑。若利はいい弟子を持ったようだ。同じことを言ってくるとは」
空井さんは嬉しそうな顔をしていた。すると彼はショーのお礼に俺がアメリカにいる期間だけ、トレーナーをすると言うのだ。
摩『わお…』
岩「スゲェじゃねえか」
空「それに君は若利の可愛い弟子だからね」
明日から空井さんがコーチをしているチームで一緒にトレーニングをすることが決まった。
岩「及川に写真送りたいんだが、いいか?」
摩『いいですけど、何で?』
岩「自慢」
岩泉さんのドヤ顔が面白い。なんか悪巧みしてるみたいな顔だ。岩泉さんによると、及川さんは俺に会いたがっているため、そんな彼に自慢したいそうだ。
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NOside
摩浪との写真を送った数分後に、及川から電話が来た。
(及「ちょっと岩ちゃん!?ずるい!」
岩「ズルくねぇだろ」
(及「俺が摩浪と会いたがってるの知ってたくせに!」
岩「だから送った笑」
(及「この鬼〜!」
ずるい、悔しいやら色んな愚痴を聞かされる電話となった。